残置物とは、建物の所有者または住人が退去の際に残していった設備や家財道具のことです。一般的な残置物としては日用品、家電製品、粗大ゴミなどがあげられます。
布団や衣類、不燃ゴミは一般廃棄物に該当するため、基本的には解体業者ではなくお施主様が処分します。これらの処分を解体業者に依頼すると産業廃棄物の扱いとなるため、費用が高くなります。家屋の残置物の処分費用を節約したい場合は、あらかじめお施主さん自身で不用品を処分しましょう。たとえば、電化製品はリサイクルに出したり、一般ゴミはゴミの日に回収してもらったりと、決して難しい作業ではありません。
残置物の処分費用
地域差もありますが、4tトラック1台当たり5~10万円程度が処分費用の相場となっています。
- 4tトラック1台ごとに数万円
- 1m³ごとに数千円
- 家財道具1点ごとに数千円
- 45Lのゴミ袋ごとに数百円
お施主様の中には、「ウチにはそんなにゴミは無い」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際のところは30坪ほどの一般家屋であっても、4tトラック1台では足りない程の量が出る場合も少なくありません。
解体業者に残置物の処分を依頼する場合
解体業者に残置物の処分を依頼すると、解体業者は「産業廃棄物」として残置物を処分します。しかし、私たちが自分の手で処分をする場合は「一般廃棄物」です。同じ残置物でも解体業者が処分するときと、私たちが処分するときではゴミの種類が変わります。
解体工事のときに出る産業廃棄物は、解体業者がお金をかけて決められた処分場で処分するための費用がかかります。
多少処分費用は高くなってしまうかもしれませんが、自分で作業する手間がかからないぶん、残置物の処分費用も含めて丸投げしてしまうことはもっとも負担がかからない方法ともいえます。
一方で「誰も住んでいなかったし、ほとんど残置物や家財道具がないから4tトラックも必要ない」という場合もあります。
そんなときは、45Lのゴミ袋1袋で数百円、家財道具一つごとに数千円という個別計算で処分してもらったり、1m³ごとに数千円という計算方法で算出してもらったりする方法がおすすめです。
しかし、依頼する解体業者によりますが、個別の計算ができない解体業者も存在します。
その場合は、自分で残置物を処分することも検討しましょう。ほとんどは無料で処分でき、大きな家財道具も数百円程度で処分することができます。残置物が少ないケースでは、残置物の処分を自分でやることによって解体工事の費用を安く抑えることが可能です。
自分で残置物を処分するときの方法
残置物処理費用が発生する解体業者に依頼せず、自分で残置物を処分すると解体費用は安くなります。陶器、紙製品、布製品、家電製品などは特に、解体業者に処分を依頼すると割高になってしまいます。
ただし、残置物は自分で処分した方がいいとわかっていても、肝心の処分方法が分からなければ手が付けられません。もちろん、ゴミの日に全部まとめて出してしまえばいいということでもありません。残置物を含めた不用品はいくつかの種類に分け、正しく処分する必要があります。以下で詳しく解説します。
残置物の種類と特徴を把握しよう
空き家に残った残置物は種類ごとに分けると、処分するときのイメージがしやすくなります。残置物の種類を表にまとめました。
種類 | 具体的な品名 | 費用の目安 | 処分方法 |
---|---|---|---|
日用品 | 燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ | 基本的に無料 | 地域のゴミ回収 |
家電製品 | エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ | 1点あたり1,052円~ | 郵便局で家電リサイクル料金を支払い、指定場所へ持っていく |
パソコン | ノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ | 基本的に無料 | 家電量販店やメーカーの回収サービスに依頼 |
粗大ゴミ | タンス、布団、机 | 1点あたり数百円~ | 粗大ゴミ受付センターに連絡後、ゴミ処理券を購入し指定日に出す |
日用品や生活ゴミは各自治体のゴミ回収の日に合わせて出すことができます。燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミなど地域ごとに決められた方法で分別して出してください。
最低限の費用で家電製品を処分する方法
最低限の費用で家電製品を処分する方法は、郵便局で家電リサイクル料金を支払って、指定されている引き取り場所に持っていく方法です。
まず郵便局で家電リサイクル券をもらい、処分する家電のメーカーと大きさを記入して料金を振り込みます。リサイクル料金は家電の種類、メーカー、大きさによって変わります。
家電リサイクル料金一覧
エアコン | 972円~ |
テレビ | 1,386円~ |
冷蔵庫 | 3,672円~ |
洗濯機乾燥機 | 2,484円~ |
参考:家電製品協会
振込の際にはリサイクル料金以外に、振込手数料がかかるので注意して下さい。(窓口130円 ATM80円)振込が完了したら指定の引き取り場所を確認して、処分する家電製品を持ち込みます。
パソコンの処分時はデータをきちんと消去する
パソコンを処分する時に注意してほしい事はデータをきちんと消去する事と、費用をとにかくかけない(というか無料で処分する)という事です。
うちのパソコンは大した事に使ってないしデータの処分なんて必要ない、と考える人もいるかと思いますが名前や住所、クレジットカードの暗証番号など大事な個人情報が残っている可能性があります。
無料のパソコン買い取りは要確認
無料でパソコンの買い取りをうたっているリサイクル業者や家電量販店がありますが、実際の所は壊れているパソコンや、自作のパソコンは回収してもらえない場合があります。
わざわざ店頭まで持って行っても結局引き取ってもらえなければムダ足になってしまいます。店舗で回収してもらう場合は、事前に調べて確実に回収してもらえる確認をしてから持ち込むことをオススメします。
安全かつ無料でパソコンを処分するには
パソコンを処分する事が決まったら処分するパソコンに「PCリサイクルマーク」が無いか調べて下さい。パソコンの裏や、製造番号付近にあることが多いです。
PCリサイクルマークがあるパソコンはメーカーに無料で引き取ってもらえます。送料もかからず、着払いで送る事が出来ます。 メーカーであれば、データの消去まで確実にやってもらえるので安心ですね。しかし、PCリサイクルマークが無い場合は同じメーカーでも3,000円前後の処分費用が掛かってしまいます。
PCリサイクルマークが無い場合は、ヤマダ電機のパソコン買い取りサービスがオススメです。
壊れていても、古い型でも回収してもらえて、データの消去まで無料でやってもらえます。しかも佐川急便を使えば送料も無料です。
粗大ごみはゴミ処理券を購入して指定日に出す
粗大ごみを出す手順は大きく分けて3つです。
- 粗大ごみ受付センターに電話をする
- ゴミ処理券を購入する
- 指定日にゴミを出す
粗大ゴミとして出すものが分かったら最初に受付センターに電話して指定場所と時間の申し込みを済ませます。受付センターの申し込み無しに、勝手に指定場所に置いておいても回収してもらえません。
なお、申し込みはインターネットからでもできますが、粗大ごみの大きさや素材によって購入するべきゴミ処理券の金額は変わるので、不安な方は最初に受付センターに電話で確認して、申し込みも一緒に済ませるのがお勧めです。
受付を済ませたら次にゴミ処理券を購入します。
写真は東京都杉並区のごみ処理券ですお住いの地域に合わせてゴミ処理件を購入して下さい。ゴミ処理券はコンビニで購入する事ができます。必要分を購入して粗大ごみに貼り付けます。最後に、申し込みをした指定日に粗大ごみを出して作業完了です。
粗大ごみの定義
粗大ごみの定義は各地域によって変わります。 多くの地域では大きさを基準にしていて「縦、横、高さのうちいずれか一辺が何センチメートルを超えると粗大ごみになります」というのが一般的です。
テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫などの家電リサイクル法対象の品目とパソコン以外の大型のゴミが粗大ごみになると考えて下さい。
自転車、衣装ケース、おもちゃ、鏡、ギター、スキー板、コピー機(家庭用)、タンス、etc……
行政の無料回収日に自分で捨てる
業者に処分を依頼すると費用がかかるものの中にも、行政の無料回収日を利用すれば費用をかけずに処分できるものがあります。
ふとん、座布団、ソファー、マットレスなどは、無料回収とまではいきませんが、粗大ゴミの日であれば500~1,000円程度で処分できる地域がほとんどです。回収日や捨て方は、地域により異なるのでお住まいの自治体のホームページでご確認ください。
インターネットで検索する際は、「○○市 粗大ごみ 収集日」等で検索すればすぐに見つかります。
大型の家電製品はお近くの家電量販店で引き取りできるか確認する
家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)は、行政の無料回収やクリーンセンターでも引き取りを行っていない場合があります。
しかし、大型家電量販店では回収やリサイクルを請け負っているお店もありますので、お近くの店舗に問い合わせして確認してみましょう。
残置物の処分をする時に知っておきたい事
残地物を自分で処分すると決めている方に、絶対に抑えておいて欲しいポイントがあります。
解体業者に無料で処分してもらえる残置物がある
実は、解体業者に処分を依頼しても無料、もしくは格安で処分してもらえる残置物があります。 それは、金属・プラスチック・木材の3つです。
この3種類に関しては解体工事の時にでる廃材と合わせて産業廃棄物として処分が可能なので解体業者にお願いしたほうがお得に処分できる場合があります。
業者による所なので必ず安くなるとは言えませんが交渉してみる価値はありますよね。
- 金属
- プラスチック
- 木
見積り0円の不用品回収業者に注意
解体業者に依頼すると処分費用が高額になるのは、ゴミの種類が産業廃棄物に変わってしまうからでしたよね。それなら、不用品の回収を専門にやっている業者なら安く回収してくれるのではないかと考えつきませんか?
でも実際は、不用品回収業者に依頼する場合は注意が必要です。不用品回収業者の中には無許可で営業をしている会社もあり、不法投棄などをして料金を安く抑えている場合もあります。
残置物の処分方法についてのまとめ
残置物を処分するにはまずどれくらいの残置物が残っているのか把握するところからはじまります。どれくらいの残置物があるのか実際に目で確認してみると具体的な計画が立てやすくなりますね。
まずは、実際にどれくらいの残置物があるのか一度確認してみて下さい。