今住んでいる建物をより快適にするために、「リフォームをしようかな」と思ったら、まずは「どこをどのように」リフォームするかを考えますよね。
その際には、一般的にどのようにリフォームが行われているかを知ることで、失敗しないリフォームにつながります。また、同じリフォームを行うにしても、小規模な部分リフォームにするのか、思い切って大規模な全体リフォームにするのかによっても、考慮すべき点は異なります。
今回は、部分リフォームや全体リフォーム工事を始める前に考慮しておきたい点をお伝え致します。リフォーム工事や費用相場について、見積りを取る際の注意点など、知っておきたいポイントをまとめました。リフォームを始める前にぜひ参考にして、満足のいくリフォームにしてくださいね。
まずは部分リフォームを検討、でもその前に……
古くなった設備部分を新しくしたり、使い勝手の悪い部分を改善したりと、全体に改修が必要なわけではない場合は、やはり部分的な小規模リフォームを行いたいですよね。全体にわたる大掛かりなリフォームに比べると、
- 費用が抑えられる
- 施工期間が短い
- そこに住みながらリフォーム工事が可能
- 完成形がイメージしやすく、建物の使い勝手が変わらずに済む
などのメリットがあり、とりかかりやすそうですよね。
そんなメリットが多い部分リフォームですが、事前に数点、重要なポイントをしっかりと把握しておきましょう。
1.プライバシーは守りたい!住みながらのリフォーム工事
当然の事ながら、住みながらリフォーム工事を行うことになると、職人さんが出入りすることになります。ですので、リフォーム工事の計画を立てる際には、明確なプライバシーのルール作りをしておくといいでしょう。また、どんな職人さんが何人いて、どんな作業を行っているのかなども把握しておくべきです。毎日同じ人が作業をしに来るとは限りません。
また、リフォーム工事を行っている場所はもちろん使用ができなくなりますが、リフォーム工事箇所以外にも使用できない場所が出てこないかどうかはしっかりと確認しておきましょう。
- プライバシーのルール作り
- 使用できない場所の確認
- どんな職人が何人、どんな工事を担当しているのかなどの基本情報の確認
2.リフォームのための取り壊し
一般的に取り壊しと言うと、建物や設備の撤去のみの作業です。もちろんリフォーム工事の前にはこの撤去作業が必要です。ですが、リフォーム工事におけるそれは、一般の工事のように、単純に既存のものや設備を撤去する以上に難しい作業になってしまうことがあります。
リフォーム工事のために行う時は、撤去する部分と残しておかなければならない部分があるため、より慎重な作業を要求され、予想以上の時間や費用がかかってしまうこともあるのです。
住みながら行う場合だと、生活環境を維持しながら進める必要があり、しっかりと養生を設置し、工事で発生するホコリやゴミの清掃をその都度、頻繁に行う必要がありますし、工事後の設計まで見据え、残す部分の強度を保ち、傷つける事なく取り壊す配慮をしてもらうので、どうしても作業時間は撤去のみの工事よりも長くなやすいです。
ですが、リフォーム工事に取りかかる際の最初の工事は、その後の工事の流れを作る上でも重要で、そのために意識しておきたいのは、やはりリフォームの工事の経験が豊富な職人さんに依頼することでしょう。
職人と一口に言っても、木造が得意だったり、ビルや設備が得意だったりと、職人さんによって様々です。リフォームのための工事を中心に行っている職人さんは、撤去のみの作業よりも頻繁に清掃作業を行うなど、生活環境に対する配慮や気配りに慣れており、作業後の設備工事などの引き継ぎもスムーズです。
ですので、リフォームにおける適切な職人選びは不可欠であり、リフォーム経験が豊富な職人かどうかは、リフォーム会社との契約前にきちんと確認しておきましょう。
3.部分リフォームの費用相場
リフォーム工事を考える上で、知っていおきたいことは多いですが、やっぱり費用相場が気になりますよね。ただ、費用に関しては、案件によって大きく異なるのが現状です。ですので、今回は、部分リフォームを行った方がどのくらいの費用でリフォームを行ったかを見てみましょう。
部分リフォームされることが多い水回りのリフォーム費用例をご案内いたします。その他の部分リフォーム費用相場についても、今回参考にさせて頂いた下記のリンクでチェックできるので、参考にしてください。
*情報元:価格.com リフォーム費用・相場、
壁紙屋本舗 費用別!壁のリメイクはどのくらい料金でできるの?、
リショップナビ 床の張り替えリフォーム費用相場【フローリング・CF・カーペット・フロアタイル・畳】
キッチンリフォーム
■30万以下:コンロなど一部の機器の入れ替え
■30~150万円:場所を変えないシステムキッチン交換
■150~400万円:システムキッチン交換。場所移動有り。
お風呂・浴室リフォーム
■3~20万円:既存のお風呂浴室の機能向上
■20~60万円:浴槽や給湯器の交換
■60~100万円:ユニットバスまるごと交換
■100~200万円:在来の浴室解体から新なユニットバスの取り付け
トイレのリフォーム
■5~10万円:便座だけの交換
■20~60万円:便器の取り替えから内装の変更
■30~80万円:和式から洋式への変更
洗面所のリフォーム
■5~10万円:古い洗面台を同じサイズのものに変える(給配水管・壁紙・床交換なし)
■10~30万円:洗面台の取り換えと床と壁も含めたリフォーム
■40~80万円:システムタイプの洗面台設置と内装リフォーム
壁紙のリフォーム
■5千円以下:壁へのワンポイントや省スペースへのアクセントクロス
■5千円〜1万円:トイレなどの省スペースへのアクセントクロス
■1〜5万円:キッチンなどの広めのスペースへのアクセントクロス
床のリフォーム
■2~6万円:1畳の床のフローリング張り替え
■7~10万円:4畳の床のフローリング張り替え
■10~18万円:8畳の床のフローリング張り替え
できるだけ部分リフォーム費用を抑えるには?
やはり、何を行うにしてもお得に物事をすすめていきたいですよね。「リフォームの見積りを取ってみたけど、予想以上に費用がかかってしまう」。部分リフォームを行う際のコストダウン方法として何ができるでしょうか?
1.予算を率直に伝える
交渉の際、率直に「予算は◯◯円なのですが。」と伝えましょう。業者としても、予算が明確な方が、代わりの選択肢を具体的に提示しやすく、よりスムーズに交渉が進みます。
2.こだわりを明確に
リフォームをする中で、絶対に譲れない箇所はあると思います。ですが、どこにどんな施工が本当に必要なのか再度考えてみましょう。「ここの設備は本当にこんな機能が必要?」「高い素材を使う必要がある場所?」など、その設備や素材はリフォーム箇所に合っているか、必要かどうか見直してみて下さい。
基本的に、よっぽどのこだわりが無い限り、材料は標準ランクのものを選ぶようにするのもポイントです。
3.DIYにも挑戦!
ちょっとした家具や設備は既製品を買ってきて組み立てたり、自分で作ったりすることはコストダウンに直結です。腕に自身のある方はぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。
リフォームと建て替えのメリットとデメリット
リフォームをしたい箇所が多くなると、細かい作業が多い部分リフォームではコストパフォーマンスが悪くなってしまいがちです。そんな時は全体のリフォームを検討することも視野に入ります。ここで、大規模リフォームを検討されている方に合わせて検討して頂きたいのが「建て替え」という選択肢です。
「建て替えってリフォームに比べると高くつく」、という思いが強いかもしれません。でも、長い目で見ると建て替えのほうがあなたの環境や条件に向いている可能性もあるのです。あなたがリフォームしたい建物は、大規模リフォームが向いているのか、建て替えが向いているのか比較検討してみましょう。
それでは早速、全体リフォームと建て替えのメリット・デメリットをみていきます。
全体リフォーム | 建て替え |
---|---|
メリット | |
デメリット |
全体リフォームを行うか、建て替えか決める際には、以上の点をふまえて検討してくださいね。
まとめると、費用を削減したい、工期は短いほうがいい、また、思い入れがあり面影を残したいといった場合には全体リフォームが適しているでしょう。建て替え工事は、より長期的な目線、自由度を重視する方に向いています。
費用の比較は現時点のリフォーム費用と建て替え費用ではなく、先々のランニングコストについても考慮が必要です。そこに今後長く住むのであれば、向こう15年20年のメンテナンス費用も踏まえたコストで比べましょう。そして、メンテナンス費用を含めたときに(含まないにしても)、リフォーム費用が、建て替え費用の70%を超えるようであれば、建て替えを選ぶほうが良いでしょう。
リフォームか建て替えかを判断する基準
リフォームか建て替えかを判断する際には、築年数と将来の住居計画が重要な基準となります。
築40年以上の住宅では、安全性の確認のために住宅診断士への相談が推奨されます。相談費用の相場は約5~10万円です。二世帯同居の場合は、高齢の家族のことを考えて、バリアフリー化の必要性も考慮するべきです。
これらを踏まえて、リフォームのみで対応可能か、あるいは建て替えが適切かを決定しましょう。
全体リフォーム費用を抑えるために
全体的なリフォームを選択した際に、費用を抑えるためには間仕切の変更をなるべく少なくすることです。構造を変更しなければならない工事は、基礎を追加したり、柱や梁などの追加補強が必要になることがあるので費用が高くなりやすくなります。
リフォームならではの、「既存のものを活かす」リフォームプランを立てることで、費用の削減につながります。
また、老朽化住宅の耐震リフォーム等を行う際には、市区町村の自治体によっては助成金を出しているところもあるので、一度、お住いの市区町村に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
部分リフォームにはかからない費用ですが、全体リフォームをする際には、一時的な仮住まいの費用が必要になることもあります。予算を立てる時には、仮住まいの費用や、引っ越し費用も踏まえて計画をたてましょう。業者によっては仮住まいを提供してくれたり、紹介している場合もあるので確認してみるといいですよ。
いざ契約!失敗しない契約前見積り
それでは最後にリフォームを契約する前に必要な見積りの際の注意点をお伝えいたします。
1.複数のリフォーム会社に見積りを依頼しよう!
あなたが行うリフォーム費用の相場を確認したり、より信頼できる業者を探すためには複数者に見積りをお願いする「相見積り」をして、費用や業者の雰囲気を比較しましょう。
ココがポイント!相見積りのコツ
- 条件統一:相見積りの際には、各業者ごとに、条件を統一させましょう。
- 予算・目的を明確に:リフォームの目的や予算を明確に伝えることで、業者もよりあなたに合ったプランの提示がしやすくなります。
- 顔を合わせる:郵送やFAXで、書面だけのやり取りではその業者の良し悪しは分かりません。直接顔を合わせ、色々な話をする中で、あなたに合うかどうか分かりやすくなるでしょう。
- 多く相見積りをとりすぎない:3社、多くても5社程度に相見積りは抑えましょう。あまりにも対応している業者が多いと、かえって混乱してしまいます。
また、ご自身で相見積りをお願いするリフォーム業者を選ぶ際には、以下の点をチェックするといいですよ。
会社概要- リフォーム事業年数・年間実績
- 建設許可番号(500万円以下の工事は不要)
- 有資格者
- 保険加入・保証・アフターサービス内容
- 会社の提携先等
- 得意な施工分野は?
- リフォーム事例はあなたの好みに合っているか?
- 担当者の印象はどうか?コミュニケーションはとりやすそうか?
2.見積書のココは必ずチェック!
- 内訳
- 諸経費について
- 作成日・有効期限
内訳をしっかりと確認しよう!
リフォームの内訳には、工事内容、使う材料や設備のメーカー・商品名、数量、単価、そして合計金額が記載されています。希望の商品に間違いがないか、数量や費用は他社と大きく違いが無いかを確認しましょう。
もしも、単価の記載がなかったり、他社と大きな費用差がある場合には、必ず理由を確認するべきです。
ただ、面積計算や施工期間については業者によって算出方法が異なるため、もしも、疑問が出てきたら遠慮なく聞いてみて下さい。
リフォームの見積りにおける諸経費って?
諸経費とは、一般に現場に関わりのない費用を指します。事務所の管理、営業などで必要になる費用です。会社によって、諸経費の定義も異なるので、一概に事務と営業のみの費用とは断定できるものではありませんが、諸経費の目安としては、見積金額の10~15%程度です。あまりにも諸経費の割合が高いようでしたら質問してもいいでしょう。
作成日と有効期限
見積りは複数回行う可能性もあるので、いつの見積りかが分かるよう、日付を確認しましょう。有効期限の有無も確認しておくべきです。
材料費の変動などで、総額が変わる可能性もあるので注意が必要です。また、あまりにも短い有効期限を設け、急いで契約をさせようとする業者は悪質な業者の可能性があるので要注意です。
リフォームや解体の費用についてのまとめ
いかがでしたか?
いざリフォームを行う際には、最初にしっかりとした段取りを立てたかどうかで、スムーズに工事が進むかどうかが変わります。基礎知識やちょっとしたコツ・ポイントを抑えておけば、しっかりとした計画が立てられます。
「もっとこうしておけば良かった」、「こんなこと知らなかった」と後悔しないためにも、事前の情報収集はしっかりと行ってくださいね。そうすることで、理想のリフォームができる可能性がより高くなります。