言った言わないが起こりやすいのも解体工事です。もちろん解体工事にも、解体業者と施主との間で結ぶ契約書が存在するのが常識です。解体工事の業者(解体業者)と結ぶ「解体工事の契約書」について、そのチェックすべきポイントをまとめてみましたので参考にしてください。
契約書は必要か?
解体工事をお願いする業者が決まったら、まず『契約書』をしっかりと交わしましょう。予期せぬ追加費用を工事後に請求されたりいつまでたっても工事が終らないというケースは多々あります。
※契約書を交わさなかったばかりに起きてしまったトラブル事例
地主さんに土地を返却するために解体工事を行っていた方が、解体工事前に契約書を交わさなかったばかりに、追加費用を請求されてしまうという事例がありました。 土地返却の期限も迫り、期限内に終らせるために仕方なく追加で費用を払ってしまったそうです。
悪質な解体業者ほど、契約書を嫌がり事前に契約書を交わそうとしてきません。自分自身を守るためにも、事前に契約書は交わすようにしましょう。
国土交通省の建設業法でも解体工事を行う際は契約書を取り交わすことが決められています。トラブルに巻き込まれないためにも、必ず解体工事を行う前に契約を交わすようにしましょう。
いつまでに契約書を交わすべきなの?
契約書を取り交わすタイミングですが、どんなに遅くとも工事の1ヶ月前には取り交わすようにしましょう。なぜなら、優良な解体業者ほど工事スケジュールが埋まりやすいからです。 契約書を取り交わす日が遅れてしまうと、ご自身が予定していたスケジュール通りに解体工事を行っていただけない可能性が出てきてしまいます。
ご自身が考えている日程までに解体工事を終らせるためにも、可能であれば一ヶ月半から2ヶ月前には余裕をもって契約の取り交わしをしてしまい工事スケジュールを抑えるのも大切なポイントです。
例えば、12月25日までに解体工事を終らせる場合で工事日数が10日間かかる場合、解体工事の完工日から逆算してみましょう!
- 12月25日 解体工事完工(解体工事には10日間かかるから・・・)
- 12月10日 解体工事着工(解体工事1ヶ月前には契約をしなければならないから・・・)
- 11月15日 契約取り交わし
このように12月25日までに解体工事を終らせるためには、11月15日には遅くても契約を交わさなければなりません。
中には、余裕をもって契約をしてくれればお値引きしていただけるケースもあります。※解体業者は先々のスケジュールを埋めることを常に考えています。そのため早めにお願いする解体業者を決めてしまい、契約を取り交わす事で解体業者のスケジュールを埋めてあげると喜んでお値引きしてくれるんです。
少しでもお値引きしていただける可能性もありますし、ご自身の工事スケジュールをずらさないためにも、早めに契約を取り交わすようにしましょう。
契約書の内容で注意しなければならない3つのチェックポイント
解体工事の契約書は、九割以上の方が初めて目にするものだと思います。最低限でも契約書を交わす際にチェックしておきたいポイントは3つありますので、必ず記載されているか確認するようにしましょう。
注意しなければならない3つのチェックポイントは以下の通りです。
- 工事内容が記載されているのか?
- 解体工事の総額金額が記載されているか?
- 工事期間などがしっかりと明記されているか?
※赤色で囲ってある箇所になります。
1つずつ説明していきますね。まず1つ目が、工事内容です。(建物構造や階数などが記載されます)
この記入欄がご自身の建物で間違いがないかを必ずチェックしましょう。
2つ目が解体工事の総額金額。総額金額には、見積りをもらった後に工事範囲の変更や追加で処分をお願い等されていなければ解体業者から提示されていた見積書の金額が記載されています。
見積りの段階で話をしていた金額から、把握していない金額の増減がないかしっかりと確認をしておきましょう。
最後の3つ目が、工事期間です。この欄は、解体業者のスケジュールとご自身のスケジュールの調整のうえ記載されています。
悪天候などやむを得ず工事が延びてしまわない限り、契約書の工事期間に沿って解体工事が行われます。
工事時期が延びてしまいそうな場合は??
解体工事が延びてしまう理由は、予期せぬトラブルや天候の影響などがほとんどです。ご自身のスケジュールもありますので、解体工事の完工日がズレそうな場合は解体業者から一報もらえるようにしておきましょう。 例)このように伝えて頂ければ、ほとんどの解体業者が対応してくれます。
「万が一、解体工事の完工日がズレそうな場合はご連絡を頂いてもよろしいですか?」
この3つは必ず確認するようにしましょう。
また、それ以外にも万が一に備えての記載されているものがあります。悪天候時には解体工事の期間延長を求めるものや、万が一地中から予期せぬ埋設物が出てきてしまった場合の対応など初めての事で馴染みがない言葉が並びますが、 しっかりと全項目を確認の上で契約書にサインをするようにしましょう。
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悪天候時には解体工事の期間延長に関しての明記
悪天候などで解体工事をスケジュール通りに施工出来ない場合、すぐさま連絡をして改めて完工日を伝えるなどが記入されております。
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地中埋設物に関しての明記
建物の基礎を撤去した際に、基礎下から過去の建物廃材など予期せぬものが出てきてしまった場合、解体工事を中断してすぐに連絡をしますなどが記載されています。この項目がなかった場合、解体工事後に「地下から廃材が出てきたので処分した費用を追加でください」など確認していないのに追加費用を払わなければならないなど最悪なケースに巻き込まれる可能性があります。しっかりと記載されていることを確認しましょう。
注文書・注文請書でも大丈夫なの?
解体業者の中には、契約書ではなく「注文書・注文請書」を取り交わす業者がいます。「注文書・注文請書」も契約書のひとつですので問題はありませんが、契約書とは違い細かな契約条件が記載されていないことがほとんどです。
注文書に記載されている内容
- 品目(○○邸解体工事など)
- 納期
- 支払い納期
注文書には、万が一何かあった際はどうするのか?が記載されてないケースが多いです。本当に安心して工事をお願いしたい場合は、できる限り注文書ではなくて『契約書』を取り交わすようにしましょう。
解体工事の契約書でチェックすべきポイントについてのまとめ
解体工事は安い買い物ではありません。事前に契約書を交わしておくことは非常に大切です。何があるか分からないのも解体工事です。