住宅を解体して更地にしようと思ったとき、まずは解体業者を検討しますよね。
ですが、解体工事なんて初めてのことで「どんな業者を選べばいいんだろう?」「この業者にお願いして本当に大丈夫だろうか?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、優良な解体業者を選ぶためのポイントや解体業者選びを失敗してしまった時のリスク、工事前~工事後にかけてチェックしておきたい部分をまとめてご紹介します。
解体業者選びを失敗するとどうなる?
建物を建てる建築工事と違って、解体工事では土地を更地にします。そのため「できるだけ解体工事にかかる費用は抑えたい」と考えている方が多いのではないでしょうか。
しかし過度に抑えられた見積金額のみで選定したり、下調べが不十分なまま適当に解体業者を選んだりしてしまうと、品質の良くない解体業者を選んでしまい、「法律違反の発生」「ご近所トラブル」「かえって追加請求が多く発生する」「ずさんな工事をされる」「工事の工期が大幅にずれる」といったトラブルが発生してしまう可能性があります。
近年、不法投棄を行う解体業者が急増しており、ニュース等で取り沙汰されているのを見かけることがあるかと思います。
山や森の奥深くに投棄を行う従来の方法に加え、人通りの少ない時間帯を狙い住宅街の道路脇などに投棄する「ゲリラ不法投棄」も横行しています。
また、他人が所有する敷地内に勝手にゴミを埋めるなどの事例も確認されており、これらはトラブルの元凶になりかねません。
解体業者が違法な工事を行うことで解体工事が大幅に遅れたり、近隣との関係性が悪化したりする危険性があるため、解体業者の選定・依頼には注意が必要です。
悪徳な解体業者の見分け方 不当な追加費用や近隣トラブルを防ぐ方法
解体業者選びで失敗しないための8つのポイント
悪質な解体業者を選ぶことなく、優良な解体業者に依頼するためには、以下の8点を押さえておきましょう。
- 建設業許可証または解体工事業登録を持っていること
- 損害賠償保険に加入していること
- 見積もりが相場から外れすぎていないこと
- 信頼できる担当者であること
- 自社施工であること
- マニフェストを発行してくれること
- 複数の業者を見積もり比較すること
- ホームページはここをチェックしよう
1.建設業許可証または解体工事業登録を持っていること
解体工事を行うためには「建設業許可」もしくは「解体工事業登録」が必要です。
「建設業許可」は、建設業法で定められた「建設工事を請け負うための許可」で、全部で29種類に別れます。解体工事を行うためには、その中で「29 解体工事」の許可を得ている必要があります。建設業許可を保有していると、解体工事の施工金額を問わずに請け負うことが出来ます。
「解体工事業登録」は、建設リサイクル法で定められた「解体工事を行うために必要な登録制度」です。この登録を行っていれば、建設業許可を保有していなくても「税込み工事費500万円未満」の工事を請け負うことが出来ます。一般家屋の解体工事で500万円を超えることはレアケースなため、解体工事業登録のみを保有している解体業者も多く存在します。解体工事業登録は、営業所(事務所)を置く地域だけでなく、工事を行う地域を管轄している都道府県、それぞれで申請する必要があります。
許可や登録がない解体業者による工事は違法なので、解体業者を探す場合は、建設業許可証もしくは解体工事業登録を取得していることを必ず確認しましょう。
2.損害賠償保険に加入していること
工事中は、瓦礫の隣家への接触・重機の横転などの事故のリスクがあるため、工事業者は損害賠償保険に加入するのが一般的です。しかし、安全意識が低かったり保険料を浮かせたいと考えていたりする解体業者の中には、保険に加入していないところも存在します。
そのような解体業者に依頼すると、解体費用が抑えられていても事故発生時のリスクが上昇します。そのため解体業者を選ぶ際は、損害賠償保険に加入していることもひとつの条件にしてみてください。
3.見積もりが相場から外れすぎていないこと
解体費用はできるだけ抑えたいものですが、相場よりも明らかに外れている場合には注意が必要です。
解体業者によってある程度費用を抑えることは出来ても、相場を大きく下回ることは基本的に不可能だからです。
建物の取り壊しでは「削ることの出来ない費用」があります。工事に携わる職人の人件費や建物の養生費、廃材の処分費などが該当します。つまり、提示金額が相場を大きく下回るということは、これらの費用を不当ないし違法に削っている可能性が高いのです。
違法な賃金での労働強制、不十分な養生による近隣被害、廃材の不法投棄……これらを行う解体業者に依頼しても、完工までの良好な対応は期待できません。
4.信頼できる担当者であること
解体業者の担当者とのフィーリングも大切です。見積もり時に担当者の対応に少しでも違和感を覚える点があれば、万が一のトラブル防止のため他の解体業者の利用を検討したほうがいいでしょう。
また、連絡がつきにくい解体業者にも注意してください。優良解体業者であれば、忙しくても一両日中には折り返し連絡をしてくれます。なかなか連絡が取れない解体業者は、何かトラブルが発生したときの対応にも遅れが出やすいため、できるだけレスポンスの早い解体業者を選ぶのがおすすめです。
5.自社施工であること
自社で施工を行わないブローカーに工事を依頼すると、工事に関する細かい要望が下請けまで連携されずに、ずさんな工事をされる可能性があります。また何らかのトラブルが発生したときに、ブローカーが責任を取るのか下請け業者が責任を取るのかで揉めるおそれもあります。
ブローカーに当てはまりやすい特徴として、日本全国から解体工事を請け負っていることが挙げられます。そのため解体業者を選ぶ際は、その解体業者が地域に密着しており自社施工なのかということもチェックしてみましょう。
6.マニフェストを発行してくれること
マニフェストとは、解体工事で発生する廃棄物の収集・運搬・処理までの過程において、各段階で担当する業者に記入・押印してもらう管理票のことです。
このマニフェストによって廃棄物が適正に処理されたことが確認できるため、ぜひ解体業者にはマニフェストの写しを請求してみましょう。マニフェストは作成が義務付けられているため、優良な解体業者であれば必ず発行してくれます。
マニフェストに押印漏れがあった場合は不法投棄の可能性が高くなりますが、漏れがなければ廃棄物が適正に処分されたという証明になります。
7.複数の解体業者から見積もりをとる
解体工事にかかる費用や、工事をする作業員の雰囲気は、それぞれの解体業者によって異なります。
複数の解体業者から見積もりをとって比較・検討することが、家の解体工事費用を抑えることにつながります。工事費用の設定は解体業者によってバラつきがありますが、安すぎる価格は手抜き工事や近隣トラブルを招くリスクもあるため注意が必要です。相見積もりで費用の相場を把握し、適正価格かどうかを判断しましょう。
とはいえ、ご自身で解体業者をいくつも探すのは面倒、難しいと考える方も多いと思います。そこで、当協会が運営する「解体無料見積ガイド」では、無料で最大6社の見積比較ができるサービスを提供しています。
当協会がご紹介する解体業者は、全て独自の審査を通過した優良な解体業者で、解体工事が初めての方でも安心して依頼が出来ます。解体業者とのスケジュール調整や、お断り連絡の代行も当協会で対応いたします。また「現地に行けないけど見積もりを取りたい」などのご相談も歓迎しておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
8.ホームページはここをチェックしよう
「この解体業者いいかも!」となるホームページを見つけた後は、見積もり依頼の前にホームページから「本当に良い解体業者かどうか」を確認してみましょう。
以下のポイントをチェックしてみてください。
「会社概要」の連絡先・所在地
まず、連絡先と所在地はしっかり表記されているでしょうか?所在地については、その住所にきちんと会社が存在しているかを確認し、事務所を構えられているかを確認します。
ここで注意すべきは、アパートの一室を所在地としている解体業者です。
解体業者の中には、運営が危うくなると会社を潰してまた新たに会社を立ち上げるなど、自転車操業でなんとかやりくりしているところもあります。
そのような解体業者はアパートの一室を事務所とし、所在地にしていることがあります。
工事の実績をチェック!
検討中の解体業者は、ホームページに実績や事例を載せているでしょうか?実績や事例を載せられる解体業者は業務を正しく行えているということですね。
また、事例を写真つきで載せている解体業者は、それと同じような建物を解体したいという方に向けて発信しています。自分が解体したい建物と似た条件の建物の写真がないか、チェックしてみましょう。
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ブログやSNS・YouTube等
ブログやSNS・YouTubeなどで日々の活動を発信している解体業者は、一般のお客様に見つけてもらおうという努力が伺えます。
内容から働きぶりや雰囲気が伝わる上、更新頻度が高い解体業者は積極的に活動していると言えます。
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代表あいさつやスタッフの写真
代表あいさつのページなどにある代表やスタッフ陣の写真は、「どんな人たちが仕事をしているか」ということを確認する良い機会です。
「顔を出してもいいくらいしっかりと仕事をしている」ということが分かるほか、仕事中の雰囲気を伺うための機会となるでしょう。
日々多くのお仕事をこなしている解体業者は忙しく、ホームページやブログを更新する余裕がないということも多いです。ですから「書いていないから信頼できない」ということにはなりませんが、これらが載っている解体業者はより信頼を置きやすいと言えるでしょう。
工事を依頼する前の最終チェックポイント
依頼しようと思える解体業者が見つかったら、次は実際に連絡し、見積もりを取ることとなります。
その時もいくつかチェックポイントがあるので、ひとつひとつ確認してみましょう。
電話がつながるかチェック!
まずは電話がつながるかをチェックします。ホームページに載っている番号に電話をかけてみてもつながらない、という場合も少なからずあるためです。
また、呼出音が鳴ってもなかなか来てくれない解体業者もいます。小さな会社で解体業者が毎日忙しいと、すぐに対応するのが難しいこともあるのです。
ここでのポイントは折り返し電話があるかどうかです。どんなに忙しい解体業者でも、折り返し電話は必ずします。折り返しが何日も遅れていたり、そもそも折り返しがないといった場合は、連絡にかぎらずルーズな解体業者である可能性があります。
見積もりの仕方をチェック!
次は、実際に見積もりを取ってもらうときに確認しておきたいことについて見ていきましょう。
最初の反応
例えば、電話で建物の構造(木造・RC造等)と規模(坪数)を聞いただけで「○○万円でできますよ!」と言える解体業者には注意が必要です。
取り壊し工事は現場周辺の環境や住宅の内外にある廃棄物等によって費用が変動してしまうためです。
目安として「その大きさでしたら建物本体のみの解体で○○万円ほどです」といった話は往々にしてあるので一概には言えませんが、このことは頭に入れておくとよいでしょう。
現地調査での担当者の反応
解体工事の見積もりには、建物の大きさや材質、敷地の境界線、庭にある樹木や庭石、埋設物(井戸や浄化槽)などがないかどうか、現場の前を通る道の広さなど、確認すべき項目はたくさんあります。
現地調査には必ず立ち会って、解体業者が十分に注意してくれているか確認しましょう。
どんなに丁寧に見積もっても、後から埋設物などによる追加費用が発生することもあります。ですが、優良な解体業者であれば追加費用のことも契約前に説明してくれるでしょう。
現地調査のときに建築図面や建物の登記簿があると、建物の大きさや地中埋設物の情報などの記載があるため、より正確な見積もりを出すことができます。ぜひ事前に用意しておきましょう。
契約から工事開始後のチェックポイント
工事の依頼が決まった後や工事が始まった後も、最後まで何事もなく終わるかどうか気になりますよね。
実際の工事がずさんだと、近隣に埃が舞ったり、お隣の外壁を傷つけてしまったりと、重大な問題につながることがあります。
工事前・工事中も以下のようなことをチェックしておきましょう。
工事前:工事のスケジュールを伝えてくれるか
工事のスケジュールは施主にとっては勿論、解体業者にとっても重要なものです。工期が伸びてしまうとそれだけ解体業者側の負担が大きくなり、近隣からクレームが入るおそれもあるからです。
優良業者なら、工事前にスケジュール表を作成し、工程の説明をしてくれるでしょう。
工事中:工事の進行状況をこまめに伝えてくれるか
優良な解体業者は、現地の写真を添えるなどの形で工事の進行状況を伝えてくれます。状況報告により、施主にスケジュール通り工事が進んでいることを伝えられるからです。
また、工事中に見積もりになかった追加工事が発生した場合、工事の手を止めて速やかに施主に報告してくれる施主は優良であると言えます。しかし、それをせず工事後に料金の請求だけを行う解体業者はあまり良い解体業者とは言えないでしょう。
工事中:工事現場に問題はないか
解体工事がはじまったら、できれば現場に足を運び、状況を確認するとよいでしょう。
現場で見るべきポイントは以下のようなものです。
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養生や水撒きが適切に行われているか
解体工事の最中は粉塵が舞い、近隣では洗濯物が外に干せないほどになることもあります。
埃の飛散を極力抑えるために、養生がしっかり施されているか、また、水撒きが適切に行われているか確認しましょう。
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廃材をきちんと分別しているか
解体工事で出た木材やガラス、コンクリート、またその他の廃棄物は、建築リサイクル法により、分別しながら解体しなければなりません。それらをまったく分別することなくトラックに積み込んでいる解体業者は、その時点で罰せられる可能性があります。
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ご近隣への配慮を怠っていないか
重機を使用する解体工事では騒音やホコリの飛散に注意が必要です。建築物の破片が飛散して、人や自動車などを傷つけてしまう可能性もあります。また、ホコリが舞うことで近隣の方々は洗濯物を干せなくなるなど、思わぬところでも迷惑をかけてしまいます。まずは工事内容に適した養生を設置すること、また、建物を取り壊す際には水撒きを怠らないことは解体工事において大変重要なことです。経験豊富な解体業者は、近隣の方の車両に被せる防塵(ぼうじん)シートを配布したりもします。
以上の作業を実際に見るには、工事開始から3~5日で現場に行ってみるとよいでしょう。
工事後:建物滅失証明書(取り毀し証明書)の発行を怠っていないか
解体工事の完了後、解体業者から発行される建物滅失証明書(取り毀し証明書)。これが無いと、工事完了から1ヶ月以内に行う「建物滅失登記」ができなくなってしまいます。
工事後には解体業者から必ず取り毀し証明書をもらっておき、紛失しないよう十分に注意して保管しましょう。
「解体無料見積ガイド」が紹介する認定解体業者は、工事完了後に取り毀し証明書を発行する業者です。
工事後:整地まで手を抜かず綺麗に仕上げるか
解体後にどれだけ綺麗に整地されているかは、その土地の評価額に影響します。
売却する土地であればそれ自体が商品ですので、美しいほうが買い手も見つかりやすく「荒れた土地だから購入後に手間と費用がかかる」などと言われて値引きされる事もなくなります。
丁寧に整地されていない更地が、建て替え時に及ぼす影響
建材ゴミがきれいに撤去され丁寧に整地された土地では、その後の建物の建築がスムーズに進みます。
しかし、万が一、建材ゴミが地中に埋められたり撤去されずに残ったりした土地の場合、どんなに地面(表面)を固め整地しても、月日が経てば、ゴミが腐敗して地盤が沈下していきます。
当然、地盤が沈下すれば建物が傾いてしまいます。それは、工務店さんがどんなに素晴らしく仕上げたお家でも起こり得ることです。
丁寧に整地されていない更地が、土地の売却時に及ぼす影響
建て替えをせずに売却をお考えの方も要注意です。
更地の善し悪しで土地の売値が左右されるのは容易に想像できますが、もし地中にゴミが埋まっていた場合は大問題です。
売った後にそれが発覚すれば、土地の所有者はその地中に埋められたゴミを、ご自身のお金を費やして撤去しなければならないのです。
つまり、建材ゴミの撤去費用を相場の2倍(運搬費用を含めれば2倍以上の費用)支払わなければならないのです。
更地の仕上がりがその後に影響を及ぼすことをご理解いただけたと思います。
失敗しない解体業者選びは「解体無料見積ガイドにお任せください!
一生に一度あるかないかの解体工事。優良な解体業者を選び、自分たちも近隣の方も満足できるような工事をしたいですよね。
解体工事を考えている方はこの記事を参考に、信頼できる相手で適正価格の工事ができるように解体業者を探してみましょう。
「解体無料見積ガイド」がご紹介する認定解体業者は、現地調査の上での見積もりに責任を持ち、不当な追加費用を請求しない解体業者です。工事後に追加費用を請求することはありませんので、安心してご依頼いただけます。