見積書のチェックポイント

解体業者の見積書には、一定の決まった書式がありません。
ですが、単に詳しく記載してあるだけのものが良い見積書というわけでもありません。
解体工事で失敗しないために、ここでは見積書をチェックする際に確認しておきたいポイントをご紹介いたします。

良い見積書の前提条件

「良い見積書」を取得するためには、そもそも「良い解体業者から正しい見積書を取得」することが重要です。いくら詳しい見積書が提出されていても、その業者が意図的に悪意をもって工事後に追加費用を要求してくる解体業者では元も子もありません。

まずは誠実な解体業者であるかをチェックしましょう。

その上で、どの解体業者がいいかというのは、お客様それぞれによって違うものです。少しでも安価な価格の業者をお選びになられる方や、少しでもお近くの業者をお選びになる方もいらっしゃいます。

見積りの依頼先

解体業者以外に「ハウスメーカー・工務店」「一括見積もりサイト」などでも解体工事の見積もりが可能です。それぞれの特徴と注意点が異なります。希望に沿ったところで見積もりしましょう。

解体業者への見積り

自分で解体業者を見つけ直接見積もり依頼する方法です。

メリット

  • 仲介手数料などがかからない分、費用が抑えられる
  • 専門的なアドバイスを直接受けることが可能

デメリット

  • 多数の解体業者の中から見積依頼先を選ぶのが困難
  • 手間や時間がかかる
解体業者に見積依頼する

解体業者に見積依頼する

ハウスメーカー・工務店への見積り

新築を依頼するハウスメーカー・工務店に見積もりを依頼することも可能です。

メリット

  • 安心性の高さとサポートの手厚さ
  • 解体業者と直接やり取りの必要がなく手間がかからない
  • 施主に知識がなくとも総合的に質の高い工事が期待できる

デメリット

  • 多くの場合、仲介マージンが発生して割高になる

※一括見積もりサイトによって保証やサービス内容は異なります

ハウスメーカー・工務店に見積依頼する

ハウスメーカー・工務店に見積依頼する

一括見積もりサイトを利用した見積り

複数の解体工事見積もりを一括で行うことが出来ます。

メリット

  • 一括して複数の解体業者から見積もりが取得できるため、時間や手間を節約できる
  • 自分に合った解体業者を少ない手間で見つけられる

デメリット

  • トラブル発生時に責任所在が曖昧になる
  • 不要な営業電話、メールがくる

※一括見積もりサイトによって保証やサービス内容は異なります

一括見積もりサイトに依頼する

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見積書のチェックポイント

解体工事の見積書は業者によって記載方法が様々です。そこで、抑えておきたい見積書のチェックポイントをご紹介します。

見積書のチェックポイント

抑えておきたい見積書のチェックポイント

  • 概算や口頭だけでなく現地調査したうえでの正確な見積書をチェックしているか?(見積もりに含まれていない追加費用は発生しないか?)
  • 建物の坪数や平米数(m²)に大幅なズレがないか?
  • 税込の総額を比較しているか?
  • 建物本体の解体に必要な費用とそれ以外の項目はわかれているか?
  • 整地のための費用は見積りに含まれているか?
  • 万が一の事故があったときの保証は含まれているか?
  • 工事後の、取り毀し(とりこわし)証明書の発行費用は見積りに含まれているか?

注意が必要な見積書

もし、下記のような見積書が提出された場合は、「なぜそのような見積もりをしているのか」を解体業者に確認しましょう。良い解体業者ならきちんと答えてくれるはずです。

CASE 1 安すぎる見積書

安すぎる見積書

業者側に費用が抑えられるきちんとした理由があるのならば全く問題ありません。
しかしながら、安すぎる見積書の多くは、費用を抑えるために作業人数を少なくしたり、無理な工期での工事を行っていたりします。
また、工事経費を削減するために不法投棄やごまかした工事を行っている可能性が高いです。

CASE 2 高すぎる見積書

高すぎる見積書

工事に関わる業務は下請けに丸投げにしていたり、仲介手数料を高額請求していたりする可能性があります。
または、はじめから値引くつもりで高く見積もっている事も考えられます。

CASE 3 明細を記載してない見積書

明細を記載してない見積書

明細は記載せず「一式◯◯万円」というような記載方法を取る見積書は、情報が少なく他社との比較もしづらいです。
一式見積でも良い業者であれば詳細を聞けばきちんと説明してくださいます。きちんと確認しておくことが、追加費用の発生などのトラブルを事前に防ぐことにつながります。

実際の3社見積り比較(千葉県:Aさんの場合)

実際の見積書をもとに、どのような視点から比較検討をすれば良いかを確認しましょう。

今回紹介するのは、千葉県富里市で行われた、作業場や倉庫が併設された住宅の取り壊し事例の見積書です。

A社見積書

A社の工事費総額は373万円です。A社は見積書の他にも、現地調査で行った測量の結果を元に、全体の見取り図を作成しています。見積書の項目番号と見取り図の番号が対応しているので、どこの作業にいくらかかるのか分かりやすくなっています。

また、建物の見取り図の鉄骨造建物に「屋根:スレート」と書かれています。2006年以前に建てられた「スレート屋根」と呼ばれる屋根には、アスベストが含まれているケースが多く、見積書の段階で記載があると、工事後の追加費用に準備することが出来ます。

解体工事 見積書
建物 見取り図

B社見積書

B社の工事費総額は金額は356万円です。後のC社を含め、見積り金額が最も安価なのがB社です。しかしB社の見積書では、A社が78万円ほどかかると見積っていた残置物の撤去費を、「外回り残置物 分別・運搬・処分費」として17万円ほどの金額で算出しています。

「外回り残置物」ということは、B社は室内の残置物を見積っていないことがわかります。本事例の建物は、住居の他にも倉庫などの建物がいくつかありましたが、現地調査の時点で室内を確認できない建物が2棟ほどありました。

そこでB社は、室内残置物を後でまとめて見積ることにしました。そのため、見積書の注意書きに「室内残置物の撤去処分は別途となります」と記しています。

また、B社の見積書にはアスベストの撤去費用に関する記載もありませんでした。そのためAさんは、追加料金を踏まえて比べれば、A社C社との費用差はそれほどないだろうとお考えになりました。

建物 見取り図
室内残置物

C社見積書

C社は見積書を2枚、見取り図を1枚作成しています。見積金額は490万円で、3社のうち最も高額でした。C社の見積書は項目数が全部で33項目あり、最も漏れがなく詳細に記載されていました。例えば残置物に関しても、3社の中で唯一「室内残置物」と「室外残置物」で分けて見積っています。

また、「木造平屋建て住居」の項目は建物ごとに「屋根」「本体」「基礎」「ひさし」と部分別に見積られています。これは、リサイクル品目ごとに廃材の処分費が適正に見積られていることを確認するためです。お客様に安心感を持ってもらうために、業者が詳細な根拠を記載しています。

Aさんは本工事にあたって、「対応や施工内容がしっかりしている業者」を探されていたので、C社に依頼をされました。加えてC社の担当者はAさんにこまめな連絡を入れ、何度も打ち合わせをしに現地を訪れていました。そうした誠実な対応も相まって、依頼を決められたそうです。

解体工事 見積書
解体工事 見積書
建物 見取り図

見積りで失敗しないための
参考ページをご紹介

解体工事費用の目安をご紹介しています。

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