いらなくなったビニールハウスを撤去したくても、どこに頼めばいいのか、またどれくらい費用が掛かるか分からない、という方が多いと思います。
また、中には「ビニールハウスなら自分で解体できるかもしれない」と考えている方もいるでしょう。そこで、この記事ではビニールハウスの解体を業者に依頼した場合の費用相場やご自身で解体する方法、その他の処分方法について詳しく解説していきます。
ビニールハウスの処分費用と買取額の相場
一般的にビニールハウスを解体する際の費用相場は、一坪あたり5,000円位だと言われています。
仮に、30坪のビニールハウスを解体すると15万円前後になる計算です。
なお、撤去には解体する費用だけでなく、ビニールハウスに使われている建材の運搬や処分費用が加算されるため、さらに高額になるケースが考えられます。
ビニールハウスの坪数が大きいと、その分費用がかさむ場合があるのでご注意ください。
また、ビニールハウスの解体は、業者によって値段のふり幅が広いのも特徴です。
業者によっては、一坪500円から査定をするといったところもあれば、住宅と同じ位の撤去費用がかかるところもあります。
現地調査の際は、なるべく複数から見積りを取ってみるのが良いでしょう。
ちなみに、ビニールハウスに使われている鉄くずは買い取ってもらえる場合があります。
余裕がある方は、ビニールハウスの解体を依頼する業者さんにお願いして、解体費用と相殺できないか確認してみたり、ご自身でリサイクルが可能なところに持ち込んでみたりして、費用が抑えられないか検討してみてください。
売る種類 | 1kgあたりの買い取り額目安 |
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鉄くず | 12~20円 |
廃棄物の種類 | 1kgあたりの処分費用目安 |
土砂・コンクリート | 14~20円 |
木材・プラスチック | 14~20円 |
ビニールハウスを解体する3つの方法
ビニールハウスを業者に解体してもらう
業者にビニールハウスの解体を依頼する場合は、まず現地調査に来てもらって見積りを出してもらいます。
なお、業者を選ぶ際は、金額だけでなく見積りの項目に漏れがないか、廃材の処分方法は適切かといった点にも注意して、なるべく信頼出来る業者さんを選ぶようにしましょう。
相談や現地調査は基本的にはどこの業者も無料なので、複数社から見積もりをとって比較してみてください。
また、ビニールハウスの状態や規格、立地の状況によっては、廃材の一部を買い取ってもらえる場合があるので、可能であれば見積りの際に交渉してみましょう。
ビニールハウスを自分で解体する
業者に頼むと費用が割高なので、ご自身でビニールハウスの解体をするという方も少なくありません。
中には、自分でビニールハウスの解体をした結果、総合の費用を100万近く抑えられたという事例があります。
簡易構造のビニールハウスであれば、パイプが地中に刺さっているだけなので、ビニールと接続部を外してパイプを抜けば解体が可能です。ただし、地中でパイプが錆びていたり、奥深くまで刺さっていたりすると抜くのが大変な場合があるので事前に確認してみてください。
ただし、鉄骨ハウスを解体する場合は専門的な知識が必要です。
鉄骨ハウスは重量があり、構造はボルトナットなどでしっかり固定されているため、複数人で重機を使った解体工事が必要になります。
自分でやろうとすると事故に繋がる危険性が高いので、鉄骨ハウスの解体は無理をせず業者にお願いしましょう。
ビニールハウスをネットで譲る・売る
ビニールハウスの処分を検討するする際、ネットで売却するというのも一つの方法です。
以下は、実際にオークションサイトに出品されていたビニールハウスです。
【ヤフオク】築10年の比較的綺麗なビニールハウスが出品されていました。まだ解体されていない状態で取引金額は33万円となっていました。
築13年、解体済みの172坪と大規模なビニールハウスの出品もありました。198万円とかなり高額です。
【ジモティー】こちらは、9棟のビニールハウスを解体してくれる人に無料で譲るといった出品です。無料という事もあってか需要があり、希望者がすぐに現れました。
解体済みの状態の良いビニールハウスが40万円で出品され、実際に取引が完了しているものもありました。
オークションサイトでは、解体する事を条件にビニールハウスを譲ったり、ご自分で解体した後に値段を決めて売却したり出来るのがお分かりいただけた思います。
また、掲示板サイトでは、こうしたビニールハウスの解体や処分に伴った悩みを相談している投稿が見られました。
ビニールハウスを新品で買うよりも費用を抑えて譲ってほしいという方が一定数いるのは確かですが、オークションサイトを利用する際は、相場や専門的な知識を伴った交渉力が少なからず必要になりそうです。
場合によっては、引き取り手が現れず、ビニールハウスの処分が先延ばしになる恐れもあるので、売却や譲渡を視野に入れる場合は、余裕を持って取り組みましょう。
ビニールハウスの解体事例
当協会を通して実際にビニールハウスの解体を行った事例をご紹介します。
事例1 群馬県吾妻郡
1つ目は、群馬県で行われた木造2階建て住宅の敷地内にあった温室テントの撤去事例です。
見積書では、「温室テント撤去処分費」の項目で金額は一式40,000円の記載になっています。
事例2 福岡県飯塚市
2つ目は、福岡県で行われた平屋建て住宅と鉄骨造の車庫2棟を解体した工事で、併せてビニールテントの撤去も行われた事例です。
見積書では、「ビニールテント撤去運搬処分」の項目で金額が1式15,000円の記載になっています。
撤去するビニールハウスの規模にもよりますが、紹介した事例のように単価が「坪数」ではなく、「一式」といった記載になる場合が珍しくありません。
廃材の量が多かったり、分別の手間が発生したりすると、より細かい見積りが必要になるため項目が複雑になる場合があります。
また、地域によっては人件費や廃材の処分単価が異なるため、金額に差が生じることも知っておきましょう。
ビニールハウスを自分で解体する場合
ここからはビニールハウスを取り壊す手順と取り壊しに必要な工具について詳しく解説していきます。
ご自身でビニールハウスを解体される方は、事前準備をしっかり行ってから取り組んでください。
ビニールハウスを取り壊す手順
ビニールハウスの取り壊しは、基本的に建てる時とは逆の手順で行います。
また、状況によっては撤去した廃材を置く場所がなかったり、運搬に必要な車両が入れなかったりする場合があるので、周辺の雑草を取り除いて作業スペースを確保してからビニールハウスの解体を行うのが良いかもしれません。
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ビニールの留め具を外す
ビニールをパイプに留めている部品を外します。
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ビニールを剥がす
留め具を外したらビニールを剥がしていきます。ハウスが大きいと大変な作業になります。雨の後などはビニールに水が溜まっていたりするので注意しましょう。
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支柱の留め具を外す
支柱がクロスしている部分の留め具を外します。
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支柱とアーチを止めてるネジを外す
錆びていてネジが回らなかったり固まってたりする場合、電動ドライバーが必要になります。
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地面に刺さっている支柱を引き抜いていく
地中に鉄パイプが刺さっているタイプの構造の場合、スコップで土を掘り返して抜いていきます。地面の中でパイプを固定する台があり、引き抜くのが困難な場合はパイプを切断することになります。
規模や作業をする時期にもよりますが、一人でビニールハウスの解体を行うのが容易ではないケースが少なくありません。
場合によっては、一つのビニールハウスを解体するのに3~4日かかることも珍しくないので、可能であれば人手を確保してから作業をした方が良いでしょう。
また、事前にご自身の周りで解体した後のビニールや鉄くずを譲って欲しそうな方がいないか打診しておくのもおすすめです。
廃材の運搬や処分には手間と費用が掛かるので、協力してもらえる人がいれば多少でも作業がはかどると思います。
取り壊しに必要な工具を揃える
ビニールハウスの解体に必要な工具はホームセンターやインターネットで購入することができます。
以下は、一般的なビニールハウスの解体で使われる工具の例です。
なお、ビニールハウスの柱を切断するためにチェーンソーや丸のこを使う際は、工具の刃が弾かれたり素材が弾き飛んだりするキックバックが発生する恐れがあるのでご注意ください。
ビニールハウスの解体を行う際はご自分の安全が第一です。特に、ビニールハウスの解体は、屋外での作業なので体調管理にも気をつけて、無理のないペースで進めてください。
ビニールハウスを解体する方法についてのまとめ
主に業者に頼む、自分で解体する、人に譲るの3つの選択肢が考えられます。業者に頼んで解体してもらう場合、解体費用だけでなく金属の買取やビニール、プラスチックなどの廃材の処分も行ってくれる所にした方が手間が省けます。 自分で行う際は安全性の高い工具を選び、時間がかかってもいいので慎重に行う事を重視しましょう。
ビニールハウスの状態が良ければ、近隣に譲ったりネット上に出品して買い手を探すのも良い選択です。時間がない、できるだけお金をかけたくない、肉体労働をしたくない等様々な状況に合った選択をしましょう。