最近では空き家移住を検討している方に向けた取り組みがよく見られます。中でも使わなくなった空き家が無料で取引されている事例もあり、「無償で譲ってもらえる物件なんてどうやって探せば良いのだろう」と思われる方も多いと思います。
結論を言うと、実は無料の空き家は市場に出回らないケースがほとんどなのです。
そこでこの記事では、「低コストで理想のスローライフを実現したい」とお考えの方に向けて、無料の空き家が見つけやすくなる空き家専門の情報サイトやサービスをご紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください。
そもそもなぜ無料で空き家を譲ってもらえるのか
その理由は、空き家に掛かるランニングコストと、なかなか空き家を処分できないという現状にあります。
実は空き家の所有者は、使わない空き家であっても年間に数万円以上の税金を払い続けなければなりません。さらに、維持やメンテナンスにも費用が掛かります。かといって、家を撤去するには数百万円以上の撤去費用が掛かるため、安易に処分するのも難しいのが現状です。
その結果、処分するよりも新しい所有者に長く使ってもらえた方が良い、ということで「無料でも良いから空き家を譲りたい」という方がいるわけです。実際に、まだまだ住めるような土地付きの物件が無償で取引されている事例は数多くあります。
取引額が低い物件では不動産会社が十分な手数料をとれないので、仲介そのものが依頼できないというケースは少なくありません。そのため、所有者が自分で次の貰い手を探さなければならず、結果として空き家は増加の一途をたどっています。平成30年には848万戸、全国の13%以上が空き家になっています。
参考: 総務省統計局
専門サイトを使って効率的に空き家探し
特に、最近では空き家でお困りの方と空き家を活用したい方を繋ぐマッチングサービスが普及してきました。中には無償での譲渡を専門に扱うサイトもあるので、こうしたサイトを使えばよりスムーズに無料の空き家を見つけることができます。
そこでここからは、無料の空き家を見つけるのにおすすめな空き家専門の情報サイトやサービスを具体的にご紹介していきたいと思います。ぜひ、今後の空き家探しにお役立てください。
1.無償譲渡の不動産マッチングサイト「みんなの0円物件」
無料の空き家を探すなら一番最初にチェックしてほしいのが「みんなの0円物件」です。むしろ、無料にこだわるならこのサイトを知っているだけで十分かもしれません。このサイトは無償での譲渡を前提とした物件のみを取り扱っていて、全国から寄せられた200件以上の空き家情報が掲載されています。
実際に成約された物件の情報も掲載されているので、どういった物件が扱われているのかをチェックできるのもポイントです。また、物件の詳細情報には、取得後に掛かる年間の固定資産税の金額が明記されているのも助かります。
扱っている物件が無料なら掲載しているサイトはどうやって収益をだしているのか気になった方もいると思います。ちなみに、「みんなの0円物件」では、掲載を希望する方に一部有料でのサポートを設けることで運営費を賄っているそうです。実際には無償どころか、お金を出してでも空き家を譲りたいと考えている方がいるのも忘れないようにしたいですね。
2.格安空き家&古民家情報「Sumai空き家」
無料から有料まで、3,200件以上の物件を掲載している空き家専門の情報サイトです。賃貸と売却、両方の取り扱いがあり、価格帯別に空き家を探すことができるので、無料の物件も簡単に見つけることができます。
各物件の住所ごとにgoogleマップのリンクが貼られているので、手軽に建物の外観が確認できるのもポイントです。
3.不動産を直接売りたい人のための掲示板サイト「家いちば」
空き家を売りたい人と買いたい人がマッチングできる掲示板サイトです。価格別の「100万円未満」の検索結果から、一部無料で提供されている空き家や土地を見つけることができます。また、物件を所有している方が直接書き込みをされているので、空き家になった経緯や現在の状況が細かく載っているのもポイントです。
全体的に無料の物件はそれほど多くないのですが、掲示板サイトということもあり所有者に値段交渉が直接できるのも魅力です。
4.日本中の100均物件を網羅するマッチングサイト「空き家ゲートウェイ」
最後は100円か100万円という面白い値段設定で空き家を掲載しているサイト「空き家ゲートウェイ」です。掲載されている物件は、豊富な写真とリアルな体験談を混じえてブログ形式で紹介されているので、記事を読むだけでも物件の臨場感が伝わってきます。無料ではないですが100円の物件は一見の価値がありそうです。
自治体が運営する「空き家バンク」も要チェック
さて、ここまで空き家を専門に扱う情報サイトを厳選してご紹介しましたが、もう一つ空き家探しには欠かせないサービスがあります。それは、各自治体が主体となって運営している「空き家バンク」です。
空き家バンクは各地で増え続ける空き家問題を解決するため、自治体が非営利で取り組んでいる空き家のマッチングサービスです。現在は1,200以上の自治体が参加しており、登録されている物件の中には無料の空き家もあります。
無償の物件を探すには注意が必要
しかし空き家バンクは有料の物件数が多いので、無償の空き家だけを探すのは少し難しいかもしれません。全国の空き家バンクの情報をもとに運営されている一括検索サイトは「LIFULL HOME’S」や「athome」などもありますが、これらには取引金額が極端に低い空き家や無償の空き家は基本的に含まれていません。
そのため、サイトによっては空き家バンクに登録されているすべての物件が表示されないケースもあります。漏れなく物件の情報を確認するには、自治体が運営しているホームページやサイトに直接アクセスした方が確実です。
以下は全国の地方自治体が運営している空き家関連の情報サイトの一覧ページです。気になるエリアがある方はチェックしてみてください。
取得した金額が0円でも税金は掛かる
ここまでは、無料の空き家を探すにあたって有益な情報サイトやサービスを紹介してきましたが、ここでは最後に多くの方が見落としがちな「税金」について、もう少し解説させてください。なぜなら、空き家は無料で譲ってもらったとしても、不動産であるからです。
空き家という不動産を維持するには税金を支払う必要があり、その税金は自治体が定めた評価額にもとづいて課せられます。要は「空き家を取得した金額に加えて、自治体が定めた評価額の税額も支払う」ということです。仮に空き家そのものが無償だったとしても、一般的には30~40万円前後の税金が課せられると言われています。詳しい評価額や計算方法については以下の記事で紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。
参考 【不動産】空き家の購入にかかった費用まとめもじゃロックのDIY田舎暮らし3.0ブログ
無料の空き家についてのまとめ
この記事では、無料で譲渡してもらえる空き家の探し方について、専門の情報サイトや自治体が運営する空き家バンクを用いてご紹介しました。手軽に利用できるサービスばかりなので、積極的に利用して0円の空き家を見つけていただきたいです。ぜひ、実際に空き家をお探しになる際はまたこの記事を参考にしてみてください。