空き家は換気や掃除をこまめにしないと、一気にもろくなってしまうものです。
さらに、この老朽化に拍車をかけるのが害虫・害獣の被害。
人のいない空き家は害虫の住みかとなりやすく、もし被害が拡大すると、近隣住民にも影響を与える可能性があります。
さらに害虫被害が本格化すると、駆除する費用も高額になるので良いことは何一つありません。
そこで本記事では、空き家に発生しやすい害虫とその被害の対処法を知りたい方に向けて、具体的な解決策をご紹介します。是非最後までご覧ください。
空き家に発生しやすい害虫と被害
それではまずは、空き家に発生しやすい害虫が、具体的にどんな被害をもたらすのかを解説していきます。
ゴキブリ・ハエによる被害
害虫といえば真っ先に思い浮かぶのが、ゴキブリやハエではないでしょうか。
ゴキブリやハエは生ゴミなどの餌を食べて生息するため、実は生ゴミが少ない空き家には発生しにくい害虫です。
しかしその反面生ゴミが多い場所には発生しやすいので、餌の多い近隣の家に移動することもよくあります。
近隣住民にも被害を与える可能性の高いゴキブリやハエは、何より発生することによる精神的な被害も大きいので、なおさら注意する必要があるでしょう。
シロアリによる被害
シロアリは湿った木材が大好物の害虫で、特に管理のされていない空き家は絶好の餌と言えるでしょう。
またシロアリは、建物の柱や土台といった基礎部分を食べるので、家の耐震性を著しく低下させてしまいます。
そのため、最悪の場合シロアリの被害によって、家が倒壊してしまう恐れもあるのです。
倒壊とは言わないまでも、シロアリの被害を受けてしまうと建物の景観も悪くなるので、近隣の方に迷惑をかけてしまうことも十分にあります。
蜂による被害
蜂は夏から秋にかけて発生しやすい危険な害虫です。
空き家のような人のいない安全な場所は、蜂が巣を作る上でぴったりな環境です。特に軒先や立木、屋根裏などが挙げられます。
特に蜂の中でも危険なスズメバチは、大袈裟でもなんでもなく刺されると命を落としてしまうことも考えられるので、徹底した注意が必要です。
猫・ネズミによる被害
それに、猫やネズミも空き家に大きな被害をもたらす害獣で、特に暖かな空き家は安全で住み着きやすいので注意が必要です。
空き家に侵入した猫やネズミは、餌を求めて近くのゴミ捨て場を荒らし、ひどい場合は餌がなくなると近隣の家へ侵入することもあります。
仮にそんな害獣が死んでしまうと、その死骸に害虫が群がり、異常な腐敗臭を放つことが危惧されます。これには特に注意すべきです。
害虫が空き家に発生する原因
ここからは害虫がなぜ空き家に発生するのかについて解説していきます。
なぜ害虫が発生するのか、それには4つの大きな理由があります。
清掃をせずホコリが発生している
空き家は一度きれいに掃除をしたとしても、時間が経つと勝手にホコリが溜まっていくものです。
ホコリが発生するとそれを餌にする害虫が発生し、連鎖的にまたその害虫を食べる害虫が発生していきます。
代表例で言えば、ツノダニやチャタテムシがいます。
特にツノダニもチャタテムシの発生を放置すると、アレルギーや喘息等の悪影響を及ぼしかねません。
換気をせずカビが発生している
換気する機会の少ない空き家は、空気の循環が悪く湿度が高くなりがちです。
湿度が高いと同時にカビも発生しやすく、木造の家屋などであればなおさら木材の湿度が高まり、シロアリの温床となってしまいます。
先ほどもお話しした通り、シロアリは湿った木材を好むので、「あっという間に家の木材がシロアリによって腐敗している!」みたいなこともよくあります。
水道を使用せず、虫が排水管に住み着いている
長らく通水していない水道管は、乾燥が進んで干上がります。
干上がった水道管は、通常上がってこないはずの下水の害虫が上がりやすく、そこが侵入経路となってしまいます。
ドアや窓を締め切っていても虫がいるのは、水回りから発生する原因がほとんどです。
周囲からゴミを不法投棄されている
また、周囲からのゴミの不法投棄が原因で、害虫や害獣が発生していることもあります。
空き家は人が住んでいないので、ゴミの不法投棄があっても気づくまでに時間がかかります。
特に人間の心理的に、放置されたゴミがあるとさらに不法投棄がエスカレートしやすくなります。
そしてその中の生ごみなどが異臭を放つようになり、ネズミや野生動物の餌となって近隣へと被害を広げてしまいます。
害虫対策のための空き家管理方法
続いては、ここまで説明した害虫や害獣の発生を防ぐための空き家管理方法を解説していきます。
具体的な対策方法は、以下の3つです。
定期的に清掃・換気・通水を行う
ここまでお話した通り、空き家は定期的に清掃をしないと、ゴミやホコリが害虫の餌となり、繁殖を続けてしまいます。
そうならないために、まずは残置物の中でも捨てられるゴミは処分しましょう。次は部屋の床や手すり、家具の上や窓の桟など、あらゆるところを徹底的に清掃します。
ホコリや虫の死骸は、それを餌にする害虫の発生源になるので、入念に掃除してください。
さらに、家中のドアや窓を開けて換気しましょう。空気を入れ替えることで湿度を下げられ、カビの発生を防げます。
特に押入れや物置き、収納棚などは忘れやすいですが、もれなく換気してください。
また、台所・浴室・洗面所・トイレなど、水道管がある場所も必ず通水作業を行いましょう。
通水作業を怠ると害虫の発生だけではなく、水道管の錆の発生などにもつながります。
具体的には、蛇口をひねり三分間ほど水を出し続けるだけで完了します。すべての水道管の水を入れ替えてください。
侵入経路を完全に塞ぐ
空き家に害虫や害獣がいた痕跡があれば、必ずどこかに侵入経路があるはずです。
想像できないような小さな穴でも、いとも簡単に猫やネズミは侵入できます。
特にゴキブリなどの小さな害虫は、室外機のホースや排水溝などの外とつながる極小の隙間からでも侵入するので、穴を完全に塞ぎ、侵入できないようにしましょう。
忌避剤を散布しておく
バルサンなどの忌避剤は害虫や害獣を遠ざける薬剤です。忌避剤を撒けば猫やネズミ、ゴキブリなどが寄り付かなくなります。
しかし忌避剤の効果は永久ではないので、定期的に忌避剤の効果を確認し、効果が出ていないようであれば再度散布しましょう。
それに、同じにおいの忌避剤だと害虫が慣れてしまって効果が薄まることもあるので注意しましょう。
空き家に害虫が発生してしまったら
実際に空き家に害虫が発生してしまったら、否応なしに駆除しないといけませんよね。
自分で駆除できるレベルの被害であればいいのですが、場合によっては専門業者に駆除を依頼することもあるでしょう。
そこで、2つの特徴とメリット・デメリットをお話しします。
自分で駆除を行う
自分で駆除をする具体的な方法は、発生した害虫・害獣用の駆除剤や薬剤を散布することです。
メリットは、猫やネズミ、ゴキブリ程度であればコストをかけずに薬剤散布で駆除できること。
反対にデメリットは、シロアリやスズメバチといった危険性が高い専門的な駆除が必要な害虫に対しては、対処が難しいということです。
専門業者に依頼を行う
専門業者に依頼をする時は、専門的な駆除が必要な害虫の場合でしょう。
メリットは、危険な害虫も徹底的に駆除してもらえて、再発も防止してくれる点です。
デメリットは費用面です。例えば蜂の巣の駆除であれば、巣の大きさによって値段が異なる場合が多いです。
コスト面が心配な方は、一度業者さんに相談してみましょう。