庭の解体費用 庭石や庭木などの撤去費用を解説
古いお庭に手を入れて、駐車場をつくりたい、広々とした芝生を敷きたいと考えたとき、まずはお庭の解体を考えますよね。
大きな庭石や、立派に育った庭木…どうやって撤去するのでしょう?費用はいくらくらいかかるのでしょう?
今回は特にお庭や池の解体に注目して、工事にはどれくらいの費用がかかるのか、どんな物にいくらくらいの撤去費用がかかるのか、実際の工事の事例を挙げながら、だいたいの目安について書いています。ぜひ参考になさってくださいね。
お庭の解体工事はどこに頼むべき?費用の相場は?
お庭に手を入れたいと考えたところで、まずはどんな業者さんにお願いすればよいのだろう?と考えますよね。
ここではどんな業者さんがどんな工事に強いのか、また、解体工事の費用はどれくらいなのか見ていきましょう。
庭をどうしたいかで依頼する業者は変わる
お庭をその後どうしたいかによって、工事を依頼すべき業者さんは少し違ってきますね。
例えば、お庭を駐車場にしたいと考えているなら外構工事専門の業者さんに、芝生を敷いたり、花木をメインにしたお庭にしたいなら造園業者さんに工事をお願いするとよいでしょう。
ただし、それらの業者さんが解体・撤去工事に慣れているかどうかはしっかりと確認すべき点です。
それでは、解体・撤去工事が専門の業者さんといえば、どこなのでしょう?それは、建物の解体を行っている解体業者さんたちです。
建物の解体には、付帯工事として建物の外の解体工事がつきものです。ですから、お庭にある不用品や樹木、ブロック塀などの解体・撤去には慣れていますし、重機なども豊富に揃っています。
お庭の解体工事の費用実例
それでは、お庭の解体工事にはだいたいいくらくらいかかるのでしょう?
ここでは住宅の解体工事の事例から、お庭の工事にかかった費用を見ていきましょう。
事例1 千葉県の一戸建て住宅のお庭
こちらの住宅はお庭がかなり広く、樹木がたくさんあり、中でも立派な松の木が入口に植わっていたようです。さらに入口側のブロック塀をすべて解体・撤去する工事を行っています。見積書を見てみましょう。
「前面CB塀」、「前面RC塀」という項目がブロック塀の解体費です。CBはコンクリートブロック、RCは鉄筋コンクリートの略です。
ブロック塀の解体費用は全部で100,300円となっていますね。また、お庭の樹木は以下のように植わっていました。
そして大物の松の木はこちらです。とても立派ですね。
近くに電線があり、撤去作業には細心の注意を払う必要がありました。高所作業車を使い、少しずつ丁寧に枝を落としてから伐採されました。
前の道を通行止めにするなど、大掛かりな作業になっているのがわかります。
トラックに積むとこのようなボリュームになります。
この松の木の撤去費用だけで、なんと20万円かかっています。さらに伐根作業も重機が使われました。根の部分もとても立派ですね。
樹木の量はA、Bと分けられていますが、トラック5台分あったようです。こちらの業者さんではトラック1台につき6万円ということですから、全部で30万円です。
さらにお庭にあった物置の撤去費用が1万円、浄化槽と井戸がそれぞれ3万円などとなっています。
見積書の「整地」という項目には、お庭だけでなく、家屋のあったところまでの費用が入っていますが、敷地全体で8万円ほどです。
以上の項目から、事例1のお庭だけの解体費用はだいたい78万円ほどということがわかります。
事例2 東京都の一戸建て住宅のお庭
次に、もう少しコンパクトなお庭の解体工事について見てみましょう。見積書はこちらです。
まずは、お庭の樹木や庭石を見てみましょう。
庭石は玄関近くに置かれたかわいいサイズのものですね。また、隣に見えているのが「コンクリート土間」の部分です。
ただ、次の写真を見ると、お庭にはもっと大きいサイズのものや、庭の隅に置かれたものなど、意外にたくさんの庭石がありそうなことがわかります。
庭石の見積もりには「60cm四方換算 3個分」とあります。これは庭に大小いくつかあった庭石を、60cm四方の石3個分として計算しているということです。撤去費用は37,452円ですね。
樹木に関してはトラック1台分で済んだようです。費用は79,000円となっています。
また、住宅の四方はブロック塀で囲まれていて、正面部分はすべて、他の面は下から2段目まで解体・撤去されました。
ブロック塀の解体費用は37,200円となっていますね。
以上の項目から、事例2のお庭だけの解体費用はだいたい19万円ほどということがわかります。
このように、お庭の解体工事はお庭の広さや撤去するものによって費用が大きく違ってきます。
さらに、事例で挙げた合計金額は工事費のみのものですので、ここに諸経費が別途かかってくることも頭に入れておきましょう。
また、お願いする業者さんによって、各項目の単価に違いがあることも知っていただけたと思います。
外構・造園・解体…どの業者さんに工事をお願いするにしても、必ず3社ほどに見積もりを出してもらい、各項目を見比べてから、業者さんを決定しましょう。
庭石・庭木・ブロック塀などの撤去費用はいくらくらい?
次に、庭石や庭木などの撤去費用のだいたいの目安について見ていきましょう。
庭石の撤去費用の目安
庭石には人一人で持ち上げられるものから、クレーンなどの重機を使わないと持ち上がらないものなど、大きさや重さはピンからキリまであります。そのため撤去費用もまちまちです。
上の事例2にあったように、人の手で取り除き、運べるものは「庭石◯個分、いくら」「トラック◯台分、いくら」としている業者さんが多いでしょう。
ただし重機でないと持ち上げられないような庭石は、以下のような計算をしてだいたいの重さを予想し、1個あたりの見積もり金額を出すことが多いようです。
例えば、たて90cm、よこ150cm、高さ50cm、比重2.5の庭石で計算すると、0.9×1.5×0.5×2.5=約1.7トンです。
ここに業者さんが提示している石1kgあたりの撤去費用をかければ、だいたいの費用を知ることができます。
1kgあたりの単価は業者さんによって大きく違い、安いところだと15円、高いところだと40円ほどです。
試しに1.7トンで計算してみると、1kgあたり15円だと25,500円、40円だと68,000円になります。単価の差は大きいですね。
庭木の撤去費用の目安
庭木の撤去費用は、解体業者さんの場合、上の事例にもあったように「トラック◯台分」で決めることが多いようです。
ただし、事例1の松の木のような立派な木は、作業工程も多く、大掛かりな作業になるので、「1本いくら」という扱いになるでしょう。
また、背の低い木でも1本あたりで料金を出しているところもあります。例として、植木屋さんのチェーン店、smileガーデンさんの料金表を見てみてください。
樹木は根元付近で切り倒して(伐採)、そのあと切り株状になった木を根から取り除きます(伐根)。
また、植木屋さんや造園業者さんは庭木の撤去だけでなく、移植も請け負ってくれます。庭木を別の場所へ移動させたい場合には、木のプロである植木屋さんや造園業者さんにお願いしましょう。
ブロック塀の撤去費用の目安
ブロック塀の解体・撤去費用は、解体業者さんですとブロック塀の面積(m²)で見積もることが多いようです。
ブロックは1つの高さが19cmで、それを5段にすると95cmあります。5段で10メートルのブロック塀の面積は、0.95×10=9.5m²となり、撤去費用は約65,000円ほどです。
その他の不用品の撤去について
ここで、その他の不用品の撤去費用についても見ていきましょう。
灯篭の撤去費用の目安
灯籠は、アンティークとして買い取りしてもらえることもありますが、100件につき1~2件ほどしか売れるものはなく、ほとんどの場合は石として撤去されるようです。庭石のときと同じように1kgあたりの単価で料金を計算します。
物置の撤去費用の目安
物置は、横幅+奥行+高さの3辺を合わせた長さで料金を計算します。
スチール製物置 | 3辺合計 | 料金 |
---|---|---|
Sサイズ | ~400cm | 約15,000円 |
Mサイズ | ~500cm | 約18,000円 |
Lサイズ | ~600cm | 約21,000円 |
LLサイズ | ~700cm | 約26,000円 |
池の解体費用の目安
池の取り壊しはに掛かる費用は、坪当たり1万5,000円から3万円くらいが相場です。一般的な戸建て住宅の庭にある池であれば、10万円前後からが目安になります。
また、通常は重機を使って掘り起こすような形で取り壊しを行うので、石垣などの自然石はセメントに比べると頑丈なので撤去費が割高です。
そのほか、埋め戻しには1m³あたり2,000円から5,000円の「埋め戻し土」の費用が掛かります。なお、規模にもよりますが工期はだいたい即日から2日程です。
取り壊し費用 | 1万5,000~3万円/m² |
---|---|
埋め戻し費用 | 2,000~5,000円/m³ |
池解体の見積り例
庭池の取り壊し費用の見積りは、業者さんによって金額はもちろん書き方なども異なります。
平米や立米あたりで見積りを出すところや、池の規模がそれほど大きくなければ庭の撤去費の一部として「一式」といった記載にしている業者さんも多いです。
【見積り例1】
60m²(約18坪)の池を取り壊した際の見積書の一部です。坪当たりの単価が決められていて、細かく測量をされているのが分かります。
【見積り例2】
別現場の異なる業者さんが出した見積書の一部です。先ほどに比べて規模が小い池だったこともあり、項目は「1式」とまとめて記載されています。
池の解体の流れ
池の取り壊しに関しても、その他の取り壊し工事と同様に廃材の分別が必須です。そのため、池の水を抜いてからゴミなどを取り除いて施工をしてもらいましょう。
また、「池の取り壊しでは井戸の時にやるようなお祓いは必要ないの?」と疑問に思っている方が多いようです。
しかし、ほとんどの場合池の水は水脈や水路からひいてきたものではないので「お祓い」や「息抜き」をする必要はありません。
池の取り壊しは以下の流れを参考にしてみてください。
- 池の水を抜く
- ゴミを取り除く
- 重機を使ってコンクリート部分(自然石を含む)を取り壊す
- 廃材や残った石を撤去する
- 埋め戻しをする
植木・植栽撤去費用は節約できるかもしれない
高額な解体費用を少しでも低くするためには、付帯工事にかかる追加費用を抑えることが大切です。
付帯工事は、解体業者にしか出来ない項目ばかりだと思われがちですが、ご自身で撤去可能な項目がいくつかあります。その一つが、植木・植栽撤去費用です。
植木・植栽撤去費用とは、庭などの植木の撤去を解体業者が行った際にかかる費用です。ご自身で撤去をしてしまえば、費用項目に挙げずに済みます。
多くの場合、撤去した植木の個数や面積を元に費用が算出されるので、ご自身で出来る範囲の撤去を事前に行い、業者に任せる量を減らすことで節約できます。大きな木など撤去に危険が伴うものなどは、解体業者にお任せしましょう。
業者の特徴を把握して、庭取り壊しの希望に合う業者を選ぼう
業者さんにはそれぞれ得意な分野とあまり得意でない分野があります。
例えば、外構工事専門の業者さんに工事を依頼するとして、ブロック塀の解体・撤去はお手のものでも、木の撤去にはあまり詳しくない場合もあります。
そのため、業者さん選びをする際はこちらの希望をしっかり伝え、ぴったりの業者さんを見つけることが大切です。
また次のようなことも頭に入れておくとよいでしょう。
- 庭石がたくさんあるときは
- 立派な庭木があるときは
- 池があるときは
業者さんによっては、広い置き場を持っていて、回収した庭石を保管できる業者さんもいます。庭石をリサイクルするなどして、廃棄にかかる費用の分を安くしてくれるかもしれません。
太く立派な木は、根も立派です。根を完全に取り除けないままに木を撤去してしまった場合、地中に残った根が腐り、地盤沈下の原因になってしまうこともあります。立派な木を切る場合には、樹木の伐採が得意な業者さんを選ぶ必要があります。
各廃材の分別を前提として施工する必要があります。廃材の処分など正しい手順で施工をしてしてくれる業者さんを探しましょう。なお、水脈などから水がひかれていた場合はお祓いが必要なので、神仏関係の対応や施工に詳しい業者さんに依頼できると安心です。
また、解体業者さんの中には解体工事以外にも、外構工事に強かったり、もともと造園業をやっていて、のちに解体工事も手がけるようになったという業者さんもいます。
ご自身の希望に合った業者さんを選べば、お庭の解体からその後の工事まで、まとめて依頼することもできますし、費用も安く抑えられるかもしれません。
解体した庭を整地する方法
解体された後の庭には多様な使い道があります。その際、重要になるのが庭の整地方法です。
整地方法が違えば、見栄えや強度に差が出るので、解体後の活用計画を早期に立てましょう。
次の5つの整地方法を比較し、目的に適った工事を依頼しましょう。
整地の方法 | 特徴 | 1m²あたりの費用 |
---|---|---|
アスファルト舗装 |
|
約4~6千円 |
真砂土舗装 |
|
約3~7千円 |
砕石舗装 |
|
約3~4千円 |
粗仕上げ |
|
約3~6百円 |
地盤改良 |
|
広さや方法で大きく異なる |
お庭の解体費用と業者選びについてのまとめ
お庭の工事を依頼するときは、希望によってお願いすべき業者さんが違ってきます。
満足いく仕上がりにしてもらえるように、また、できるだけお得に済ませられるように、ここだと思える業者さんを探してみましょう。
その際は数社から見積もりを出してもらうことをお忘れなく。