本記事では、内装解体工事の費用相場や費用を抑えるポイントについて詳しく解説していきます。
また、内装解体の専門用語・手順といった基本的なことや、依頼時の注意点についても触れています。
内装解体を検討されている方は、ぜひご参考ください。
内装解体とは
内装解体とは、建物の内装の一部または全部を解体する工事のことを指します。
建物の躯体(柱・梁など)を除き、床材・間仕切り・造作棚・壁紙・住宅設備といった内装のみを解体する工事は、施工範囲の大小を問わず内装解体に該当します。
内装解体は主に、借りたテナント物件を貸主に返却する際の「原状回復工事」に伴い必要となることが多いです。
例えば飲食店の場合、借主が新たに設置した造作物(壁・床・棚・カウンター・厨房設備など)を内装解体により取り除き、必要に応じ補修工事等を行ったうえで貸主に返却を行います。
そのほか、アパート・マンションなどのリフォーム・リノベーションの際にも内装解体は必要となります。
なお、建物の躯体以外をすべて取り除く内装解体は「スケルトン解体(スケルトン工事)」と呼ばれます。
内装解体と関連性の高い「原状回復工事」「スケルトン解体」については、以下の記事もあわせてご覧ください。
内装解体の費用相場
内装解体の工事費用を具体的にイメージしていただくため、内装解体でよくある「美容院」「マンション」「オフィスビル・店舗」「居酒屋」の費用相場および工期の目安をまとめました。
建物の構造 (坪数) |
入居目的 | 内装解体の費用相場 | 平均作業日数 |
---|---|---|---|
S造、RC造、SRC造 (30~50坪) |
美容院 | 8,000円~/m² | 2週間 |
マンション | 10,000円~/m² | 5日~1週間 | |
オフィスビル・店舗 | 10,000円~/m² | 1週間~10日 | |
居酒屋 | 15,000円~/m² | 3週間 |
坪数別の内装解体の費用相場
坪数別の内装解体の費用相場(坪単価)は、以下の通りです。
内装解体の坪数 | 費用相場(坪単価) |
---|---|
~10坪 | 5万4,592円 |
11~20坪 | 4万3,963円 |
21~30坪 | 4万984円 |
31~40坪 | 3万3,935円 |
41~50坪 | 4万2,886円 |
51~100坪 | 4万1,465円 |
101坪~ | 4万4,197円 |
地域別の内装解体の費用相場
地域別の内装解体の費用相場(坪単価)は、以下の通りです。
内装解体の地域 | 費用相場(坪単価) |
---|---|
北海道 | 3万9,124円 |
東北 | 14万7,473円 |
関東 | 4万3,941円 |
中部 | 3万7,023円 |
近畿 | 4万2,102円 |
中国 | 3万5,980円 |
四国 | 3万1,090円 |
九州沖縄 | 3万4,711円 |
建物種別の内装解体の費用相場
建物種別ごとの内装解体の費用相場(坪単価)は、以下の通りです。
内装解体の建物種別 | 費用相場(坪単価) |
---|---|
住宅 | 3万8,756円 |
アパート | 2万7円 |
マンション | 4万4,243円 |
小屋 | 2万2,000円 |
倉庫 | 2万6,589円 |
店舗 | 4万3,996円 |
事務所 | 5万326円 |
工場 | 3万3,176円 |
病院 | 2万4,112円 |
ビル | 3万5,954円 |
内装解体の費用実例
続いて、当協会(一般社団法人あんしん解体業者認定協会)を介して行われた「美容院」「マンション」「オフィスビル・店舗」「居酒屋」それぞれの内装解体について、見積り実例をご紹介いたします。
美容院の内装解体の実例
美容院の内装解体は、シャンプー台など美容院ならではの設備の撤去費用がかかる点が特徴です。
また、お客様が座るスタイリングチェアなど処分が必要な設備がそのまま残っている場合は「残置物撤去費用」が高くなりがちです。
内装解体の費用を少しでも抑えるためには、残置物を自分で処分したり買取業者に買い取ってもらったりする必要があります。
建物の構造 | RC造(鉄筋コンクリート造) |
---|---|
階数 | 2階 |
坪数(m²) | 14.5坪(47m²) |
建物解体費用 | 70万1,400円 |
総額 | 77万円 |
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|
養生費 | 1.0 | 式 | 15,000円 | 15,000円 |
内装造作解体 | 48.0 | m² | 3,500円 | 168,000円 |
入口廻り撤去 | 1.0 | 式 | 5,000円 | 5,000円 |
什器棚撤去解体 | 1.0 | 式 | 18,000円 | 18,000円 |
2次側設備器具撤去 | 48.0 | m² | 800円 | 38,400円 |
発生材積込小運搬費 | 16.0 | m² | 4,500円 | 72,000円 |
発生材運搬費 | 16.0 | m² | 2,500円 | 40,000円 |
発生材処分費(混合) | 16.0 | m² | 16,000円 | 256,000円 |
既存残置物撤去費用 | 1.0 | 台 | 40,000円 | 40,000円 |
道路使用申請 | 1.0 | 式 | 15,000円 | 15,000円 |
歩行者誘導員 | 2.0 | 人 | 17,000円 | 34,000円 |
諸経費 | 70,140円 | |||
値引き | -1,540円 | |||
合計金額 | 770,000円 |
マンションの内装解体の実例
マンションの内装解体(スケルトン解体)は、リフォームに伴い発生します。
マンションの内装解体では、キッチン・バス・洗面台など水回りを含む大規模な工事が必要となり、費用も高くなりがちです。
建物の構造 | RC造(鉄筋コンクリート造) |
---|---|
階数 | 4階 |
坪数(m²) | 24坪(80m²) |
建物解体費用 | 84万9,415円 |
総額 | 151万8,000円 |
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|
養生 | 1.0 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
天井解体 | 77.9 | m² | 1,000円 | 77,900円 |
間仕切り解体 | 92.2 | m² | 1,200円 | 110,640円 |
付加し壁解体 | 116.0 | m² | 1,300円 | 150,800円 |
上げ床解体 | 77.1 | m² | 1,200円 | 92,520円 |
玄関タイルはつり | 0.8 | m² | 1,500円 | 1,155円 |
UB解体 | 1.0 | 式 | 23,000円 | 23,000円 |
キッチン解体 | 1.0 | 式 | 20,000円 | 20,000円 |
洗面化粧台 便器 洗濯パン撤去 | 1.0 | 式 | 15,000円 | 15,000円 |
不要給水管撤去 | 1.0 | 式 | 20,000円 | 20,000円 |
不要電線撤去 | 1.0 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
不要ダクト撤去 | 1.0 | 式 | 18,000円 | 18,000円 |
収納棚板撤去 | 1.0 | 式 | 5,000円 | 5,000円 |
床暖房解体 | 22.0 | m² | 700円 | 15,400円 |
解体材搬出積み込み費 | 30.0 | m² | 8,000円 | 240,000円 |
産廃処分費(ボード) | 7.0 | m² | 20,000円 | 140,000円 |
産廃処分費(混廃) | 4.0 | m² | 15,000円 | 60,000円 |
産廃処分費(木) | 8.0 | m² | 6,000円 | 48,000円 |
産廃処分費(廃プラ) | 4.0 | m² | 15,000円 | 60,000円 |
産廃運搬費 | 8.0 | 台 | 22,000円 | 176,000円 |
諸経費 | 50,000円 | |||
値引き | -3,415円 | |||
小計 | 1,380,000円 | |||
消費税 | 138,000円 | |||
合計金額 | 1,518,000円 |
オフィスビル・店舗の内装解体の実例
オフィスビル・店舗の内装解体は、営業していた業態によって内容が変わります。
業態によっては、キッチン・風呂・トイレなど、水回りの大規模な工事が必要になる場合があります。
店舗で使用していたカウンター・棚・設備などがある場合は、それらの解体・撤去費用も発生します。
建物の構造 | その他 |
---|---|
階数 | 2階 |
坪数(m²) | 42坪(140m²) |
建物解体費用 | 176万200円 |
総額 | 286万円 |
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|
搬出用資材 | 1 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
工事用資材 | 1 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
養生 | 1 | 式 | 12,000円 | 12,000円 |
消耗品 | 1 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
インフラ切り離し 電気 | 1 | 式 | 50,000円 | 50,000円 |
インフラ切り離し ガス | 1 | 式 | 20,000円 | 20,000円 |
インフラ切り離し 水道 | 1 | 式 | 15,000円 | 15,000円 |
フロンガス回収 | 1 | 式 | 40,000円 | 40,000円 |
天井ボード撤去 | 140 | m² | 1,800円 | 252,000円 |
天井設備撤去 | 140 | m² | 900円 | 126,000円 |
外周壁撤去 | 129 | m² | 1,800円 | 232,200円 |
上床撤去 | 140 | m² | 2,800円 | 392,000円 |
造作物撤去 | 1 | 式 | 90,000円 | 90,000円 |
間仕切り壁撤去 | 1 | 式 | 90,000円 | 90,000円 |
風呂・トイレ撤去 | 1 | 式 | 80,000円 | 80,000円 |
設備配管撤去 | 1 | 式 | 120,000円 | 120,000円 |
キッチン撤去 | 1 | 式 | 30,000円 | 30,000円 |
室外機撤去 | 1 | 式 | 50,000円 | 50,000円 |
1F残置物撤去 | 7 | m² | 4,000円 | 28,000円 |
1Fアルミ門扉撤去 | 1 | 式 | 40,000円 | 40,000円 |
同上発生材小運搬 | 46 | m² | 5,000円 | 230,000円 |
木くず | 15 | m² | 8,000円 | 120,000円 |
混合廃棄物A | 13 | m² | 15,000円 | 195,000円 |
混合廃棄物B | 4 | m² | 25,000円 | 100,000円 |
廃プラスチック | 8 | m² | 20,000円 | 160,000円 |
廃石膏ボード | 6 | m² | 24,000円 | 144,000円 |
引き取り運賃 | 10 | 台 | 10,000円 | 100,000円 |
諸経費 | 80,000円 | |||
値引き | -286,200円 | |||
小計 | 2,600,000円 | |||
消費税 | 260,000円 | |||
合計金額 | 2,860,000円 |
居酒屋の内装解体の実例
居酒屋は、内装解体費用が高くなる傾向にあります。
個室・小上がりがあったり、厨房・無煙ロースター・排気ダクトなどの設備があったりと、内装が凝った造りになっていることが多いためです。
建物の構造 | RC造(鉄筋コンクリート造) |
---|---|
階数 | 4階 |
坪数(m²) | 43坪(142m²) |
建物解体費用 | 305万円 |
総額 | 368万5,000円 |
品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|---|
内装造作解体 | 142.0 | m² | 6,000円 | 852,000円 |
厨房撤去 | 18.0 | m² | 13,500円 | 243,000円 |
トイレ床はつり | 1.0 | 式 | 140,000円 | 140,000円 |
養生費 | 1.0 | 式 | 15,000円 | 15,000円 |
椅子 テーブル 什器撤去 | 1.0 | 式 | 60,000円 | 60,000円 |
発生材積込小運搬費 | 55.0 | m² | 6,000円 | 330,000円 |
発生材運搬処理費(混合) | 55.0 | m² | 18,000円 | 990,000円 |
既存ゴミ処理費 | 1.0 | 台 | 60,000円 | 60,000円 |
道路使用申請費 | 1.0 | 式 | 10,000円 | 10,000円 |
歩行者誘導員 | 15.0 | 人 | 18,000円 | 270,000円 |
GT清掃費 | 1.0 | 式 | 80,000円 | 80,000円 |
諸経費 | 305,000円 | |||
値引き | -5,000円 | |||
小計 | 3,350,000円 | |||
消費税 | 335,000円 | |||
合計金額 | 3,685,000円 |
内装解体を行う前に必要な手順
スムーズに内装解体を済ませるためには、事前に工事の流れを把握しておくことが大切です。
まずは、工事を行う前の準備段階で必要な手順について見ていきましょう。
建物の貸主と借主による打ち合わせ~現地調査
内装解体で最も大事なポイントは、貸主・借主の両者間で施工範囲を明確にしておくことです。
施工範囲の認識にズレが生じたまま内装解体を行うと、追加費用の発生や工期の延長といったトラブルが起こりかねません。
管理会社との打ち合わせが完了したら業者選びに進みますが、内装解体ではとくに工事品質に目を向けて業者選定を行う必要があります。
施工範囲に含まれない部分や躯体などを傷つけないよう、丁寧な施工をしてくれる評判の良い業者を選ぶのがポイントです。
依頼する業者に目星がついたら現地調査を依頼しますが、内装解体の現地調査においては借主も立ち会うことが望ましいです。
貸主と決めた施工範囲を業者に共有するとともに、業者と借主が一緒に現場を確認することで、内装解体特有のトラブルを回避できるためです。
近隣テナントの営業状況を確認する
内装解体を行う現場周辺のテナント物件では、ほかの店舗や会社などが通常通りの営業を行っています。
そのため、近隣テナントの状況を考慮せずに内装解体を行うと、騒音・振動などによるクレームが入るおそれがあります。
近隣テナントに迷惑を掛けないためにも、工程を決める前に近隣テナントの営業時間帯・休日などを確認しておくことが大切です。
やむを得ず営業中に騒音・振動が発生してしまう場合は、解体業者と相談し、手作業や消音機材の導入を検討する必要が出てくるかもしれません。
工程や工法などが決まったら、具体的な工事内容・工期・作業日時・問い合わせ先などを明記した用紙を持参し、近隣テナントに挨拶回りを行いましょう。
店舗やオフィス内の不用品を処分する
内装解体を行う店舗やオフィスには、お客様が使用していた什器やテーブル・椅子、社員が使用していたオフィス家具などが、多数設置されています。
これらの不用品をすべて内装解体と一緒に撤去した場合「残置物撤去費」が高額となる可能性があるため注意が必要です。
店舗やオフィスで使用していた家具や設備機器などは、内装解体が始まる前に撤去を済ませておくとよいでしょう。
ライフラインの停止
工事の前に、電気、ガス、インターネットなどのライフラインの停止やケーブルなどの撤去の手続きが必要です。工事は建物だけではなく、設備の部分も撤去する必要があるためです。ライフライン停止の手続きは、工事施行の1週間前までには終えるようにしましょう。水道は工事中に使用するため停止しない場合があります。
内装解体の工程
続いて、内装解体の工事の流れについてご紹介します。
解体業者が実際に行う作業手順の目安として参考にしてみてください。
借りている建物に傷を付けないために養生を行う
内装解体に着手する前には、必ず養生を行います。
養生を行うことで、内装解体を行なわない箇所が誤って傷ついたり破損したりすることを防ぎます。
なお、養生を行うのは内装解体を行う室内のみではありません。
機材や廃材の運搬により業者が通過する、階段・エレベーター・廊下などの共用部にも養生を行います。
内装材を撤去する
養生が済んだら、内装材を解体・撤去していきます。
解体・撤去する内装材の種類や作業の順序は現場ごとに異なります。
なお、内装解体においてはマスクやゴーグルを着用し、安全に作業を行う必要があります。
内装解体は現場が室内であるため空気がこもりやすく、作業者がホコリや粉じんを吸引してしまう恐れがあるためです。
アスベストが含まれる内装材について
アスベスト含有製品は段階的に規制されており、現在は製造、使用などが完全に禁止されています。しかし、完全に規制される前の2006年以前に建てられた建築物には、建材として使用されている可能性がかなり高いといえます。
解体する建物の内装材にアスベストの使用が判明した際は、適正な方法で除去していきます。
アスベストが含まれていることが多い内装材は、以下の通りです。
-
ケイ酸カルシウム板第一種
厚さ4~10mmと、比較的薄くて重いのが特徴。内装ボードや天井材に使用されることが多い。
-
ロックウール吸音天井板
ロックウールを原材料とした、吸音性の高い不燃材。天井や軒天井に使用されることが多い。
-
石膏ボード
防火性・耐火性、遮音性、寸法安定性、工事の容易性に優れている。天井や壁に使用されることが多い。
-
スレートボード
セメントと繊維を混合してできた素材。建物の天井や壁に使用されることが多い。
床材を撤去する
内装材の撤去が完了したら、床材の撤去に移ります。
内装解体においては、床材を剥がす際に下地を傷つけないよう慎重な作業が求められます。
撤去する床材や接着剤などは物件により様々で、状況に応じた丁寧な施工が必要です。
床材を剥がし終えたら表面の凹凸を処理し、必要に応じ新たな床材を貼り付けやすくするための処理(床ケレン)を行ない、床材の撤去が完了します。
内装解体で発生した廃材の処理と清掃
内装材や床材の解体を終えたら、廃材の処分を適切に行ないます。
廃材の不法投棄は内装解体においても違法であるため、適切な処理を行っている証明としてマニュフェストの作成を行います。
内装解体の最後には、建材の破片や粉じんなどが残らないよう、室内の清掃作業を入念に行います。
次回の用途に応じてリフォームを行う
次回の用途が決まっている場合は、必要に応じてリフォーム工事を行います。
リフォーム工事に内装解体の業者が対応可能な場合は、ワンストップで工事を行うケースもあります。
内装解体とリフォーム工事を別々で発注する場合は、リフォームを行う旨を内装解体の業者に伝えておきましょう。
また、内装解体の業者にリフォーム業者を紹介してもらえる可能性もあるので、内装解体の見積り時に伝手(つて)はないか訪ねてみるとよいでしょう。
内装解体を依頼する上での注意点
最後に、内装解体の依頼にあたり知っておくべき注意点をご紹介していきます。
工事前後の予定も踏まえてスケジュールを組む
内装解体の依頼においては、徹底したスケジュール管理が重要になります。
内装解体を行うテナント物件等は、次の入居者との兼ね合いもあり、返却期限が明確に定められています。
そのため、内装解体の遅れによる返却の遅れは許されません。
想定外の追加工事があった場合も期限内に内装解体を終えられるよう、余裕を持ったスケジューリングを行う必要があります。
内装解体が始まる直前まで店舗や会社などが通常営業を行う場合は、スムーズに工事に移れるよう不用品処分などの段取りも予め組んでおくと良いでしょう。
内装解体に関する専門用語を理解する
内装解体には「A工事」「B工事」「C工事」といった区分が設けられています。
内装解体の区分ごとの工事内容は、以下の通りです。
-
A工事
ビルの躯体や共用部分に関わる工事
(主な工事例:共用のトイレ、エレベーター、外装、排水設備、消防設備など) -
B工事
借り主側の要望をオーナーの権限で行うもので、主に建物全体に関わる工事
(主な工事例:空調設備、防水設備、分電盤、廃水、排気など) -
C工事
テナントの内装など、借り主の責任の範囲で行う工事
(内装、装飾、クロスの張り替え、照明器具、電話工事など)
参考:A工事、B工事、C工事の違いとは?オフィス移転時は注意して!|しょくばデザイン
また、内装解体の区分ごとに業者選定や費用負担の義務が線引きされています。
区分 | 発注者 | 業者の選定 | 費用の負担 |
---|---|---|---|
A工事 | オーナー | オーナー | オーナー |
B工事 | 借り主 | オーナー | 借り主 |
C工事 | 借り主 | 借り主 | 借り主 |
建物オーナーから解体業者を紹介されたら一考する
内装解体は一般的な工事と作業内容が異なるため、すべての解体業者が施工できるわけではありません。「頼まれたら内装解体も引き受けるけど、施工の経験はほとんどない」という業者も存在します。
しかし、内装解体は繊細な技術を要するため、成り行きまかせに業者を選ぶのはおすすめできません。内装解体業者を探す際は、内装解体を専門的に行っていたり、内装解体の実績が豊富な業者の中から選ぶとよいでしょう。
また、貸主から内装解体の依頼先を紹介された場合、紹介された内装解体業者に依頼するか否かは慎重に検討しましょう。
紹介された内装解体業者に内装解体を依頼すれば、内装解体を依頼する内装解体業者をご自身で探す手間は省けます。
しかし、借主が支払う内装解体費用に中間マージン(紹介料)が上乗せされ、内装解体費用が2~3割ほど高くなる可能性もあります。
当協会が運営する「解体無料見積ガイド」では、内装解体に対応可能な優良業者を手数料無料でご紹介することが可能です。
内装解体の依頼先をお探しの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
内装解体についてのまとめ
本記事では、内装解体の手順や工事の流れ、費用相場について詳しく解説いたしました。あわせて、内装解体を依頼するにあたって注意すべき点や、専門用語の意味などについても理解を深めていただけたら幸いです。
内装解体をはじめ、建物の解体に伴う工事は何かとトラブルが多いことでも知られています。これから内装解体を検討している方は、ぜひ本記事を参考に余裕を持って取り組まれてください。