この記事では、20坪の建物を解体する際の一般的な費用相場について、実際のお見積りデータをもとにご紹介していきます。
また、同じ20坪でも条件によって追加で発生してしまう解体費用についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
20坪の家を解体するときにかかる費用の目安
以下は20坪の建物の取り壊しに掛かる解体費用の全国平均を構造別に計算した表です。
この表の解体費用は、建物本体の解体費用に加え、養生費や運搬費、処分費などかかる費用のすべてをあわせた金額です。
構造 | 平均坪単価 | 解体費用の相場 |
---|---|---|
木造住宅(平屋) | 3万4,111円 | 68万円~120万円 |
木造住宅(2階建て) | 3万7,351円 | 64万円~100万円 |
鉄骨造 | 4万3,349円 | 90万円~200万円 |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 5万4,313円 | 140万円~240万円 |
エリア別20坪の家の解体費用相場
以下は実際に20坪の建物を解体した際の坪単価と、解体費用を各県ごとにまとめた表です。
なお、都心部は不動産価格が高く狭小地が多いこともあって事例が豊富です。ただし、手壊しによる解体が多いので、全国平均よりも坪単価が高い傾向にあります。
県名(事例数) | 坪単価 | 解体費用 |
---|---|---|
北海道(3) | 35,897円 | 717,942円 |
秋田県(1) | 35,525円 | 710,500円 |
宮城県(8) | 28,413円 | 568,266円 |
山形県(1) | 27,609円 | 552,173円 |
福島県(3) | 41,587円 | 831,734円 |
茨城県(12) | 30,863円 | 617,260円 |
栃木県(7) | 30,875円 | 617,500円 |
群馬県(10) | 30,449円 | 608,980円 |
埼玉県(73) | 36,652円 | 733,049円 |
千葉県(55) | 35,667円 | 713,330円 |
東京都(109) | 38,661円 | 773,229円 |
神奈川県(55) | 34,301円 | 686,012円 |
山梨県(4) | 36,519円 | 730,375円 |
長野県(6) | 31,026円 | 620,516円 |
富山県(1) | 47,850円 | 957,000円 |
福井県(1) | 25,000円 | 500,000円 |
岐阜県(3) | 27,364円 | 547,267円 |
静岡県(15) | 33,334円 | 666,733円 |
三重県(2) | 33,075円 | 661,501円 |
滋賀県(1) | 51,000円 | 1,020,000円 |
京都府(5) | 40,976円 | 819,514円 |
大阪府(53) | 38,128円 | 762,562円 |
兵庫県(13) | 40,697円 | 813,942円 |
奈良県(1) | 30,000円 | 600,000円 |
和歌山県(1) | 59,000円 | 1,180,000円 |
岡山県(3) | 37,091円 | 741,820円 |
山口県(4) | 31,876円 | 637,518円 |
徳島県(3) | 28,920円 | 578,407円 |
香川県(3) | 35,010円 | 700,198円 |
愛媛県(1) | 42,575円 | 851,500円 |
愛知県(7) | 29,664円 | 593,274円 |
福岡県(13) | 34,879円 | 697,574円 |
佐賀県(1) | 28,000円 | 560,000円 |
長崎県(2) | 34,280円 | 685,600円 |
熊本県(1) | 36,941円 | 738,818円 |
宮崎県(2) | 29,884円 | 597,667円 |
鹿児島県(1) | 23,000円 | 460,000円 |
地域ごとで20坪の建物を解体をした際の詳しい見積りや内訳が知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
20坪の家のつくりや設備で見積り金額は変わる
延床面積が20坪の建物が建っている土地は、比較的限られた敷地の場合が多いです。
この場合、住宅が密集していて解体する際に重機が使えず、廃材の運び出しも手作業で行わなければならないケースが少なくありません。
なお、当協会を利用して20坪の家を解体された方のうち、手壊しにより発生した追加費用の平均額は179,876円、運び出しに掛かった小運搬の費用は252,714円でした。
20坪の家の条件によって工事内容と費用が変わる
一般的な木造2階建ての住宅は延べ床面積が大体30坪前後なので、20坪の建物は比較的規模が小さいといえるでしょう。しかし、20坪の家であっても、建物の状況や工事を行う条件によっては追加作業が発生して費用が割高になるケースがあります。
20坪でも手壊し解体が多いと費用が高くなる
例えば、東京都文京区で行われた延べ床面積18坪の事例では搬入路が狭かった影響で、通常サイズの重機が使用できず、小型重機と手作業で解体を行ったため通常よりも費用が高くなりました。
このように、20坪未満の解体工事であっても、旗竿地や狭小地だった場合には費用が割高になるケースがあります。
実際こちらの事例は解体費用が総額で173万円で、20坪の木造の建物の平均解体費用よりも高額でした。このうち、人力解体による追加が36万円、さらに残材を手作業で運んだ「小運搬費」だけでも38万7,500円が追加で発生しています。
20坪でもアスベストがあると高くなる
アスベスト含有製品は段階的に規制されており、現在は製造、使用などが完全に禁止されています。しかし、完全に規制される前の2006年以前に建てられた建築物には、建材として使用されている可能性がかなり高いといえます。
そのため、同じ20坪の解体工事であっても、アスベストを含有する建物は費用が割高になる恐れがあります。
たとえば、大阪府豊中市で行われた19坪の木造2階建て住宅の解体工事では、建物に危険度が高いアスベストが含まれていたため別途に除去作業が必要でした。
その結果、合計で3社から取った見積りはそれぞれ税込281万、290万、182万と、いずれも20坪の木造住宅の解体費用相場よりも高い金額でした。
また、アスベストが含まれているかを事前に調査する「石綿含有屋有無調査費」の項目で6万円の費用が発生しており、諸費用をあわせると調査だけで7万円の費用がかかっていました。
アスベストが含まれる建物の解体については、こちらの記事で詳しく解説しています。