土間コンクリートの撤去費用 鉄筋の有無や厚さ別の処分費を解説

土間コンクリートの撤去費用 鉄筋の有無や厚さ別の処分費を解説

本記事では、土間コンクリート部分の撤去費用や、コンクリートで作られた駐車場の撤去に掛かる費用について考察していきます。

実際の事例や、土間コンクリートの撤去で注意すべき点を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

土間コンクリートとは?!解体前にどんな造りか知っておくと良い

土間コンクリートとは、砂利や石などを敷き詰め、直接コンクリートで打ち固めた床のことです。一般的な住宅であれば玄関や駐車場、古民家や長屋であれば土間の部分がこれにあたります。施設や店舗では床が土間コンクリートになっている所もあるようです。

また、土間コンクリートの厚さはおおよそ5cmから10cmで、強度を高めるためにワイヤーなどの鉄筋が入っている場合があります。

なお以下の表は、当協会を利用して行われた住宅の解体工事のうち、土間コンクリートの大きさと撤去費用を全国平均にした値です。

大きさの平均 撤去費平均
29m² 74,724円

工事の際は伸縮目地も一緒に取り壊す

一般的に土間コンクリートは、時間が経過すると中の水分が抜けて伸縮したり、熱によって膨張したりするため、伸縮目地と呼ばれる間隔が設けられています。

なお、伸縮目地にはレンガや砂利をはじめ、玉竜(たまりゅう)などの植物、ビート板やヨガマットに使われるようなポリエチレンを含んだ素材など、様々な建材が使われています。そのため、土間コンクリートを撤去する際は、こうした伸縮目地も合わせて取り除く必要があり、それぞれ廃材は品目ごとに分別しなければなりません。

コンクリートと伸縮目地
経年劣化した伸縮目地

土間コンクリートの撤去に用いる工法

クラッシャー工法

クラッシャー工法とは、ダイヤモンドカッターを使用してコンクリートを削る工法で、別名ワイヤーソー工法と呼ばれます。工事中の騒音が小さいところが魅力です。地面の掘り下げだけでなく、ブロック弊やコンクリート壁の撤去など、様々な工事に用いられます。

カッター工法

カッター工法は、ウォールソー工法とも呼ばれており、コンクリートやアスファルトを切断する際に用いられる工法です。コンクリートにレールを固定し、その上をカッター付きの切断機が移動することでコンクリートを切断していきます。

カッター工法は、作業時に水を使用する「湿式」と、使用しない「乾式」の2種類に分けられます。湿式は水を使って粉塵の発生を抑え、切断時に発生する摩擦熱を冷やすのが特徴です。水を使うことができない現場では乾式が用いられます。騒音や振動、粉塵の飛散が比較的少なく、住宅密集地や商業施設などでも使える工法です。撤去の精度を高めるために用いられることも多く、耐震補強工事や建物の改修工事にも採用されます。

ウォータージェット工法

ウォータージェット工法とは、水圧を利用してコンクリートを削り取る工法です。メリットは、無振動の撤去作業によって近隣への迷惑を最小限に抑えられる、水圧によって一気に破壊や撤去ができるなどです。老朽化したコンクリートを撤去する場合に用いられます。

圧砕機工法

圧砕機工法は、鉄筋コンクリートを圧砕しながら解体する工法です。

「コンクリート圧砕機」と呼ばれるハサミ状のアタッチメントを油圧式ショベルカーなどの重機の先端部に取り付けて行います。このアタッチメントには「大割り」や「小割り」の種類があり、小さくなるほど廃材を細かく圧砕することができます。

圧砕機工法は「振動や騒音が少ない」「分別に適している」というメリットがあります。

土間コンクリート撤去単価は厚みや鉄筋あり・なしで変わる

駐車場の土間コンクリート

土間コンクリートの撤去における費用は、コンクリートの厚みや中に含まれる鉄筋の有無によって変わります。

基本的には、撤去する土間コンクリートが厚いほど取り壊しに手間が掛かるので、その分費用は割高です。また、中に鉄筋が入っていた場合はより強度が高くなっており、鉄筋とコンクリートを分別する手間が増えるのでさらに費用は高くなります。

ただし、詳しい金額は現地で測量しなければ分からないため、費用例としては【1,000円~/m²】や【3,000円~/m²】といった価格に幅を持たせているケースが多いです。中には、土間コンクリートの厚みと鉄筋の有無で、ある程度の価格差を一覧にしているところもあります。

構造の違いによる単価例
  • 厚さ5cm(鉄筋あり)……1,000円~/m²
  • 厚さ5cm(鉄筋なし)……700円~/m²
  • 厚さ10cm(鉄筋あり)……1,500円~/m²
  • 厚さ10cm(鉄筋なし)……1,000円~/m²

さらに、ホームページ等で掲載されている金額は撤去のみで、コンクリート片などの廃材を処分する費用は別途追加としている業者もありました。そのため、土間コンクリートの撤去費用の見積りを取る際は、どこまでの費用が含まれるのか業者ごとに確認した方が良いでしょう。

実際に土間コンクリート撤去を行った方の金額は?!

多くの場合、土間コンクリートのみを撤去するよりも、建物と合わせて取り壊しを行うケースがほとんどです。しかし、撤去に掛かる単価が異なるため、費用は建物部分と切り離して計算する必要があります。

具体的には、1m²あたりの単価に測量した広さを掛けて計算するのが一般的です。

実際に見積りを取ってみると、1m²あたり12,000円の単価に対し、実測値が1.5m²だったので18,000円といった記載になっているところが多いです。

規模によっては「一式」でいくらといった見積りで記載される場合もあります。

なお、建物とは別に土間コンクリートの駐車場がある場合でも、同様に1m²あたりの単価に駐車場の面積を掛けた金額が加算されます。

土間コンクリート撤去の見積り事例

続いて、実際の見積書をもとに土間コンクリートの撤去費用を確認してみましょう。

以下は同じ25坪で2階建ての住宅を解体した際の見積りの内訳です。

赤枠で囲っている部分が土間コンクリートの撤去に要した項目で、それぞれ3万円と5万でした。

見積書の内訳
埼玉県川口市で行われた解体工事費の内訳。土間コンクリートの撤去に掛かった費用は3万円。
見積書の内訳
さいたま市浦和区で行われた解体工事費の内訳。土間コンクリートの撤去に掛かった費用は5万円。

なお、撤去する土間コンクリートの施工面積が極端に広かったり、専用の工具が搬入できないような場所では同じ坪数でも費用が高くなる可能性があります。

土間コンクリート撤去の工期と注意点

実際に施工に入らないと正確な日数を把握するのは難しいですが、一般的な戸建て住宅の土間コンクリートであれば、おおむね1日程度で撤去が可能です。

ただし、特殊な撤去作業が必要になる場合や、通常の重機で対応が出来ないような場所では、工期が長くなる可能性があります。

他にも、地中埋設物などが発見された場合は、土間コンクリートの撤去であっても埋設物の掘り起こしが必要です。

加えて、土間コンクリートの工事では、苦情やクレームによる近隣トラブルにもご注意ください。

特に、土間コンクリートのような硬い建材を砕く工程では、どうしても大きな騒音や振動が出てしまいます。そのため、未然にトラブルを防ぐためにも、どれくらいの対策が必要なのか担当する業者と打ち合わせをした上で、事前に近隣へ周知するのが良いでしょう。

土間コンクリートの撤去費用を少しでも安くする方法

土間コンクリートの撤去には、コンクリートを砕くためのはつり工事が必要です。また、はつり工事の工法にはいくつか種類があり、業者によって工事の進め方が異なります。

そのため、場合によっては最も効率的な工法を採用することで工期が短くなり、費用を抑えることが可能です。

さらに、土間コンクリートの撤去で出るコンクリート片は、木材など他の廃材に比べて処分単価が高いです。加えて、廃材を受け入れる処分場によっては、同じコンクリート片であっても処分費用が異なるケースが少なくありません。

そのため、土間コンクリートの撤去費用を少しでも抑えるには、はつり工事を得意としている経験豊富な業者に依頼できるかが重要といえます。

ただし、建物の取り壊しと併せて土間コンクリートの撤去を行う場合は、費用の総額で判断する必要があるので、複数の業者から見積りを取って金額を比較してみてください。

土地をどうするかで土間コンクリート撤去後の仕上げ方が変わる

土間コンクリートの撤去を行う場合、跡地を駐車スペースや玄関前のアプローチ、その他ヤードゾーンとして利用するため、外構工事を検討している方が少なくありません。

他にも、撤去後は売却を考えているという方もいるでしょう。

このように、撤去後の明確なビジョンがある場合は、利用目的に合わせて施工をすることで、後のプランをスムーズに進めることが可能です。

業者によっては土間コンクリートの撤去だけでなく、外構工事もあわせてお願いできるところがあるので、業者探しの際には検討してみてください。

ただし、土地の形状によっては平坦にするため、盛土や鋤取りといった追加工事が必要になる場合があります。また、土地の売却にあたっては整地の仕上がりが重要です。

工事後のスケジュールが既に決まっている場合は、遅れなどが発生しないよう特にご注意ください。

土間コンクリートの撤去と費用を抑えるポイントのまとめ

この記事では土間コンクリートの撤去費用についてご紹介しました。

土間コンクリートは、玄関の軒先や駐車場など、一般的な住宅には必ずと言って良いほど該当する箇所があります。

また、使われている建材が頑丈なので撤去には手間が掛かり、他の建材に比べて処分費用が割高なのも特徴です。

費用を抑えて土間コンクリートの撤去を済ませるには、的確な工法で工期を短くしたり、適正価格で廃材を処分する必要があるので、業者選びの際はご注意ください。

なお、施工後に土地活用をする場合は、事前に近隣対策をした上で余裕を持ったスケジュールで臨みましょう。

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